健康コラム

no.60
テーマ:「関節リウマチ」
2014年2月号
【1】関節リウマチとは?

関節リウマチというと、手指の関節に起こるものと思われがちですが、関節リウマチは手指の関節だけでなく、全身のあらゆる関節に痛み、腫れ、しびれなどが現れる病気です。進行すると関節が変形したり、骨や軟骨が壊れて
日常生活に支障を来たすおそれもあります。関節の症状以外には、全身の症状として倦怠感、脱力感、食欲不振、体重減少、微熱などが見られます。肘の外側、後頭部、腰骨の上などの圧力が加わりやすい部位の皮下にしこり(=皮下結節)を生じることもあります。関節リウマチの原因は、すべてが解明されている訳ではありませんが、免疫システムの異常が関わっていることが明らかになってきました。

免疫とは、体外から侵入してきた異物に対して有害かそうでないかを識別し、有害なものあれば排除する体を守るための大切なシステムです。しかし、何らかの原因によってその免疫システムに異常が生じると、様々な病気を引き起こしてしまいます。よく知られるものに食物アレルギーや花粉症といった“アレルギー疾患”があります。“アレルギー疾患”は、食物や花粉など本来なら害のないものを異物とみなし、排除しようと過剰に反応してしまうために起こります。それから、自分自身の体の組織や成分を異物と誤認して攻撃してしまう“自己免疫疾患”も免疫システムの異常によるものです。関節リウマチは、関節をつつむ正常な「滑膜(カツマク)」が攻撃されて炎症を起こす“自己免疫疾患”のひとつと考えられています。
【2】関節リウマチかな?って思ったら

個人差はありますが、関節リウマチの初期には、冒頭で挙げたような症状が現れることが多いようです。起床時の関節のこわばりは、関節リウマチ特有の初期症状で、数週間から数ヶ月の長期にわたり続きます。しかし、健康な人でも関節を酷使すれば、一時的に関節がこわばることはありますし、関節の痛みを伴う病気は他にも色々あります。それに、関節リウマチの初期には、軽い貧血や血液の異常、微熱、倦怠感、食欲不振など、他の病気と混同しやすい似たような症状が見られます。だからこそ、毎日の体調の変化をチェックして気になる症状があれば早めに専門機関へ相談を。早期発見、早期治療が肝心です。関節リウマチの治療方法は以前と比べて進歩しており、早い時期から適切な治療を行えば、炎症や痛みを最小限に抑えることができ、寛解率*も飛躍的に向上してきています。事項では、関節リウマチでの日常生活の注意点についてお伝えします。

*寛解(カンカイ):病気の症状が、一時的あるいは継続的に軽減した状態。または見かけ上消滅した状態。がんや白血病など、再発の危険性のある難治の病気治療で使われる語。
【3】日常生活の注意点

関節リウマチなどの“自己免疫疾患”では、免疫システムを不必要に刺激しないように風邪などの感染症やケガに気をつけ、普段から体調を整えておくことが大切です。
■バランスの良い食事:体重が増えすぎると関節に余分な負担をかけてしまいます。腹八分目を心がけ、食べすぎに気をつけましょう。
■十分な睡眠と休養:体調の管理には十分な睡眠と休養、そして規則正しい生活が欠かせません。 関節への負担軽減のため、布団よりベットがおすすめです。
■ストレスを溜め込まない:ストレスは、血行を悪くして痛みを強めてしまうなど、症状を悪化させることで知られています。 
■禁煙:喫煙は、免疫力と関わるビタミンCやβカロチンなどの栄養素を消耗し、血行不良と免疫力の低下を招きます。 また、関節リウマチの発症や悪化には、喫煙が関与するという報告があります。
■関節を冷やさない: 入浴は、関節の痛みやこわばりをやわらげてくれます。ぬるめのお湯で、入浴時間は20分程度が目安です。
■安静にしすぎない:必要以上に安静にしすぎてしまうと、関節の動きが鈍くなり、筋力や心臓・肺の機能の低下につながります。主治医の指示に従い適度な運動や体操を行うようにしましょう。
■関節に負担をかけない:かばんは指先で持たずに肩からかける、同じ姿勢を長時間とらない、正座をなるべく避けるなど、関節への負担をかけないように動作を工夫しましょう。

免疫についてはこらちもご参考ください。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆

日本の「関節リウマチ」の患者さんは、300人に1人の割合で推計で70万人以上にのぼるそうです。「関節リウマチ」といえば、一般的に女性に多く熟年世代の病気という印象がありますが、20歳代でも発病する人もいますし、誰でも発症しうる病気です。また、原因と考えられるのが誰もに備わっている「免疫」となると、現代生活は、免疫システムを狂わせる因子(食事・運動不足・睡眠不足・ストレス・喫煙など)に溢れています。

今回は「関節リウマチ」に注目しましたが、日頃からご自身の生活習慣を振り返り、体の微妙な変化を見逃さないようにすることも大切ですね。