健康コラム

no.67
テーマ:「ドライアイ」
2012年9月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続いていますね。

はやく涼しくならないかなぁと心待ちにしている方も多いのではないでしょうか?

過ごしやすい季節になるのはうれしいことですが、季節の変わり目は体調を崩しやすいものです。

今月は目のトラブル「ドライアイ」についてお話します。

「目が乾いた感じがする」「目が痛い」
「目が疲れやすい」「目がゴロゴロする」
「目が重たい感じがする」「目が充血しやすい」

目にこのような違和感を感じたことはありませんか?
【1】ドライアイとは
ドライアイとは、涙の減少や涙の質の変化によって目の表面[角膜(※1)や結膜(※2)]を潤す力が低下した状態のことを言います。

※1 角膜→眼球の前面を覆う膜で、 眼球の表面を保護する組織
※2 結膜→眼球の表面とまぶたの裏を覆う薄い透明の膜で、異物や細菌が目の中へ入ってくるのを防ぐ組織

ドライアイでは、目の乾燥だけでなく、冒頭にあげたような症状があらわれます。

また、ドライアイの状態が続くと角膜や結膜に障害を起こすこともあります。

では、なぜ私たちの目はドライアイになってしまうのでしょうか?

ドライアイになりやすい生活習慣には次のようなことがあげられます。

■目の酷使
■空気の乾燥
■コンタクトレンズの使用
■睡眠不足
■ストレス
■加齢
■薬(降圧剤や精神安定剤)の服用 など

次項では、目の潤いを保つために必要な「涙」と「まばたき」についてお話します。
【2】目を守る「涙」と「まばたき」について
皆さんはどんな時に涙を流しますか?
涙は、感動した時や悲しい時にだけ流れるものだと思っていませんか?

実は、涙はいつも少しずつ分泌されています。

・目の乾燥を防止する
・細菌やウイルスの侵入や感染を防ぐ
・目を洗浄する
・目に酸素や栄養分を補給する

涙には上記のような役割があり、目の表面を保護してくれているのです。

この涙を分泌させるのが「まばたき」です。

意識的にまばたきをせずに目をあけたままの状態でいると目が乾き、思わずまばたきをしてしまいますよね。
これは、涙を分泌させ目の表面を潤すためです。

また、涙は、3層構造になっていて、外側から油層、水層、ムチン層で構成されています。

・油層:水分の蒸発を防ぐ
・水層:角膜に酸素や栄養を送る
・ムチン層:目の表面(角膜や結膜)に涙を保持する

【1】であげたような生活習慣などが続くと、涙の量が減ったり3層構造が崩れてしまい、目の表面は障害を起こしやすい状態になってしまいます。
【3】ドライアイの予防法・対処法
ドライアイから目を守るために、目にやさしい生活習慣を心がけましょう。

○意識的にまばたきをする
パソコンやテレビ、携帯電話などの画面に集中していたり、読書や運転をしている時はまばたきの回数が減り、涙の分泌量が減少します。
まばたきの回数を増やすことが大切です。

○こまめに目を休ませる
目を酷使する作業が続く時には、こまめに休憩をとり、遠くを見たり眼球を上下左右に動かすなどして目の緊張をほぐすようにしましょう。

また、パソコンのモニター画面を少し見下ろす位置に設定し、明るさを下げると目の負担も和らぎます。

○室内環境を整える
エアコンなどの空調機器の使用により、室内が乾燥している場合、涙の蒸発量が多くなります。

加湿器を使用するなど室内の湿度を一定に保ったり、エアコンなどの送風が直接顔に当たらないように風向を調節することも大切です。

○コンタクトレンズを正しく使用する
コンタクトレンズの使用は、涙の分泌量を減少させてしまうことが知られています。

また、ソフトタイプのコンタクトレンズでは涙がコンタクトレンズに吸い取られやすくなったり、涙の蒸発量が増えるとも言われています。
眼科での適切な指導のもとで使用するようにしましょう。

○目のまわりを温める
温めることにより目のまわりの血行が良くなり、涙の分泌量が増え、目の疲れも回復しやすくなります。
蒸しタオルを使用したり、マッサージしたりするようにしましょう。

○生活習慣を見直す
睡眠不足やストレスのかかった生活が続くと、自律神経のバランスが乱れ、涙の量が減り、質も変化します。
規則正しい生活を心がけ、睡眠時間をしっかり確保するようにしましょう。
1日の終わりにはリフレッシュできる時間を作り、疲れやストレスを溜めないことも大切です。

○食事に気をつける
バランスのとれた食事が基本です。
また、目に優しい栄養素については以下の健康コラムをご参考下さい。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
“○○の秋”皆さんをこれを見て、なにを思い浮かべますか?

食欲、読書、スポーツ・・・などいろいろあると思いますが、私は最近“読書”にはまっています。

本を読んでいる時はどうしても集中してしまい、ふと気づいた時に目が疲れたな~と感じることもあります。

読書をしている時は、まばたきの回数が普段と比べて約半分になるとも言われています。

小説の続きが気になっても休憩をこまめにはさむことは大切ですね。

大切な目をいたわって、健康で楽しい秋を過ごしましょう!

※目の違和感はなんらかの病気が原因の場合もあります。気になる症状がある場合にはお早めに専門の医療機関に相談されることをおすすめいたします。
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