健康コラム

no.151
テーマ:「防災・減災」
2019年9月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

9月1日は『防災の日』です。

この日は関東大震災が発生した日でもあり、特に台風の多い時期でもあることから1960年に制定されました。

『防災の日』を含む8月30日から9月5日は防災週間として、国や各自治体が防災訓練や啓発の行事を行っています。

日頃からの備え、十分に出来ていますか?
【1】防災と減災の違い
『防災』は知っていても『減災』という言葉は、あまり馴染みがないかもしれません。

『防災』という言葉は災害を防ぐ、被害を無くすといった意味合いですが、『減災』とは、災害後の対応よりも事前の対応を重視し、出来ることから計画的に取り組んで、被害の軽減をはかるようにすることです。

これまでの災害対策では被害をゼロにする『防災』が長く叫ばれていましたが、いざ大規模な災害が発生すると被害を完全に防ぐことは不可能です。

阪神・淡路大震災や東日本大震災を経て、一人ひとりの日頃からの備えや心構えが被害を最小限に減らすという『減災』の考え方と、それに基づく行動がより重要になってきました。
【2】減災のために出来ること
災害の被害を少なくするのは、自分の身は自分で守る「自助」、地域や身近な人同士が助け合う「共助」が大きな力になります。

(1)家族で減災会議をしよう
◎家族共通の連絡方法や安否の確認方法、避難場所などを決めておきましょう

(2)地域の危険を知ろう
◎防災マップ(ハザードマップ)やゆれやすさマップの確認しましょう
◎避難場所と、そこまでの道のりを調べておきましょう

(3)住まいの点検と備えをしよう
◎家具を固定したり、寝室に倒れたり危険なものはないか確認しましょう

(4)地域の方や職場の方とコミュニケーションを取ろう
◎普段から声を掛け合い、いざという時にお互い助け合いましょう
◎地域の避難訓練や防災訓練に参加しましょう

減災と聞くと大がかりなことに思えますが、
「日頃から家族や緊急連絡先のリストを持ち歩くようにする」
「地下鉄を利用する際、駅の非常口や避難経路の表示を確認する」
「部屋の出入り口を塞ぐようなものを置かないようにする」
「普段から近所の方に挨拶する」

こういった何気ないことも災害が起きた時に身を守ったり、被害を少なくすることが出来ます。

災害時に必要な物資の準備については次の【3】で詳しく見ていきましょう。
【3】非常持ち出し品と非常備蓄品
自宅に非常用の持ち出し袋を準備されている方も多いかと思います。

災害時にはいろんな備えが必要ですが、あれもこれもと詰め込みすぎていませんか?

持ち出し品は2つに分けて考えましょう。

①非常持ち出し品(一次持ち出し品)
「安全に避難するために必要最低限持ち出すもので、最初の1日をしのぐための物品」です。

②非常備蓄品(二次持ち出し品)
「ライフライン(電気、水道、ガス)が止まったときに備えて、家などに蓄えておくもの」です。

具体的な物品リストについては下記をご参考ください。

非常持ち出し品は日頃からすぐに持ち出せるような場所に置き、非常備蓄品は自宅や物置、車(※)などに用意しておきましょう。
※車は時期によっては高温になるため、ご注意ください

また、一度準備したら安心せず、いざという時に役立つように定期的な点検・交換・見直しが必要です。

特に食料品は賞味期限があるので、「賞味期限までに使っては買い足す」ということを普段から心がけると自然と備蓄になりますよ。

非常食の選び方やツナ缶を使ったランプの作り方は下記をご参考ください。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
先日、社内で災害対策キットが一人ひとりに配布されました。

A4サイズの箱の中は、長期保存が可能な飲料水やクッキーなどの食料、救急・衛生用品、簡易トイレ、アルミシート、LEDライトなど
必要最低限の物がコンパクトにまとめられています。

さっそく部署の方と箱の中身を見ながら、
「いざという時、箱のままだと持ち出せないですよね」
「すぐ持ち出せる場所に置かないといけないですね」
「この部屋からだと非常用の扉から出ることになりますね」

そんな話をしながら、リュックに詰め直したり、保管場所をあれこれ考えました。
実際のものがあると具体的なイメージが出来てよかったです。

防災への備えと聞くと、自宅での備えをまず考えてしまいますが、災害はいつ、どこにいる時に起こるかは分かりません。

外出先、自宅、車の中、就寝時などいろんなパターンを考えておくことが大切だなと改めて感じました。

健康コラムを作成しながら個人的に気をつけたいなと思ったのは「メガネ」です。
視力は人によっても異なる上、とっさの時に持ち出せなかったり、壊れてしまうと災害時には手に入らないことも考えられます。

普段からどこに置いてしまったか分からず、朝からうろうろと探し回ることが多いので、まずはケースに入れた状態で枕元に置くことを習慣づけたいと思います…。
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