健康コラム

no.50
テーマ:「抗酸化作用」
2011年4月号
【1】活性酸素って何?

私たちは、毎日呼吸によって酸素を取り込み、食べ物からエネルギーを作り出すときに使用しています。この過程の中で酸素の一部が変化し、活性酸素となります。活性酸素は、普通の酸素に比べて、細胞を酸化させてしまう力が強いのが特徴です。酸化というと分かりにくいかもしれませんが、鉄がさびるのをイメージしてみてください。これも酸化の一つです。活性酸素は、もともと体内に侵入した細菌やウイルスの攻撃から体を守るために働くという大切な役割を持っていますが、過剰に発生しすぎると、自分自身の細胞をも攻撃してしまうのです。そして、活性酸素による細胞のダメージは、老化や動脈硬化、生活習慣病などの原因になるとも考えられています。
【2】活性酸素はなぜ増える?

活性酸素は、生きている限り、誰の体内でも発生するものです。普通に生活しているだけでも、呼吸によって体内に取り込んだ酸素の約2%が活性酸素に変化すると言われています。さらに、次のような生活習慣や生活環境によって、活性酸素が増加しやすくなることも知られています。
●ストレス:抗ストレスホルモンが分泌・分解される過程で活性酸素が発生します。
●喫煙:タバコに含まれる有害物質を処理するために活性酸素が発生します。主流煙や副流煙にも有害物質が含まれます。
●暴飲暴食:体は食べた分だけ燃やしてエネルギーを作り出そうとするので、活性酸素の発生量も多くなります。
●食品添加物:化学合成物が分解・解毒される過程で活性酸素が発生します。
●紫外線:長時間紫外線を浴びて日焼けなどをしてしまうと、活性酸素が発生します。
●激しい運動:大量のエネルギーを必要とし、大量の酸素を消費するため、活性酸素の発生量も多くなります。
●排気ガスなどの大気汚染:排気ガスなどに含まれる有害物質が原因で活性酸素が発生します。工場のそばや交通量の多い道路など、空気の悪い住環境は要注意です。
【3】抗酸化作用と食品のパワー

抗酸化作用とは、その言葉のとおり「酸化」に「抗(あらが)う」こと、つまり、活性酸素を抑制する働きのことを言います。私たちの体にはもともと抗酸化作用が備わっていて、体内で抗酸化酵素(抗酸化作用を持つ酵素)が作られ、活性酸素の抑制に働いています。しかし、抗酸化酵素を作り出す力は20代をピークに低下し、抗酸化作用は加齢と共に減弱してしまいます。そこで、体内での抗酸化酵素の生成を高めるためにも、食品から抗酸化作用を持つ栄養素を摂取することが大切です。今回は、抗酸化作用を持つミネラルとビタミンを紹介します。

【抗酸化ミネラル】 …抗酸化酵素の生成や活性に関わります。
◎亜鉛 →牡蠣、牛肉、豚肉、うなぎなどに含まれます。
◎銅 →干しエビ、ココア、レバー、種実類などに含まれます。
◎セレン(セレニウム) →いわし丸干し、しらす干しなどに含まれます。
◎マンガン →しょうが、海藻、未精製の穀物、豆類などに含まれます。

【抗酸化ビタミン】
◎βカロテン(体内でビタミンAに変化) …抗酸化作用を持ち、皮膚や粘膜を健康に保つために働きます。 →にんじん、トマト、ほうれん草などに含まれます。
◎ビタミンC …主に細胞質や血液中で活性酸素の抑制に働きます。 →果物、野菜、いも類などに含まれます。
◎ビタミンE …主に細胞膜の酸化を防ぎます。 →種実類、アボガド、かぼちゃなどに含まれます。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆

オゾン層の破壊、大気汚染、食生活の乱れ、ストレス社会・・・。現代の私たちの生活は、活性酸素が増加する原因の多い生活だと言えます。今回は、抗酸化作用を持つミネラルやビタミンを紹介しましたが、最近では、食品の色素や香り成分である“フィトケミカル”の抗酸化作用も注目されています。また機会があればメルマガでも紹介したいと思います。抗酸化作用を持つ栄養素は、単独で摂取するよりも様々な食品を組み合わせてバランス良く摂取した方が体内でより効率的に働くことがわかっています。活性酸素の過剰な発生を防ぐためには、日々の生活を見直すこととバランスの良い食事が大切ですね。