健康コラム

no.65
テーマ:「あせも」
2012年7月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

7月に入りました。
京都の街中では「コンコンチキチン、コンチキチン・・・」と祇園囃子の音色が聞こえてきます。

京都の人にとって、祇園祭は夏の訪れを感じる風物詩の1つです。

夏に多い健康トラブルに「あせも」があります。
今回は「あせも」についてお話します。
【1】汗疹(かんしん)?
大量に汗をかいた後に現れる皮膚の湿疹や水ぶくれ。

あせもは、「汗疹(かんしん)」とも呼ばれます。

汗を分泌する汗腺の多い額や頭、首周り、足の付け根、ひざの裏側、ひじの内側、背中などにできやすく、これらは汗をかいても汗が蒸発しにくい部分です。

あせも(汗疹)は、汗の通り道や出口が詰まって発汗が妨げられ、汗が皮膚の中に漏れ出ることによって起こります。

よく見られるあせも(汗疹)には、赤いあせも(紅色汗疹)と白いあせも(水晶様汗疹)があります。

■赤いあせも(紅色汗疹:こうしょくかんしん)
皮膚の表面よりも深い部分にできるあせもです。
赤くて小さな湿疹が多発します。
かゆみを伴うことが多く、チクチクした軽い痛みが生じることもあります。
最も多く見られるあせもで、いわゆる一般的に言うあせもは、紅色汗疹を指します。

■白いあせも(水晶様汗疹:すいしょうようかんしん)
透明もしくは白っぽい小さな水ぶくれが皮膚の表面近くにできます。
気付かない場合が多く、かゆみや痛みなど自覚症状はほとんどありません。
【2】こどもにあせもが多いのは何故?
新陳代謝が盛んなこどもは、たくさんの汗をかきます。

体は小さくてもこどもの汗腺の数は大人とほぼ同じ。
体表面積が小さいために汗腺が密集しています。

皮膚の免疫機能も充分に発達してないため、皮膚が丈夫ではありません。
そのため、こどもにあせもが多いのです。

こどもは、汗でびちょびちょになっても夢中で遊んでいます。
大人も一歩外に出ると、ドッと汗が噴出します。

私たちの健康にとって汗をかくことは、体温を調節したり、老廃物を排出するために欠かせません。
大切なのは、汗をかいてもそのまま放置しないことです。

次項では、あせもの予防・対策についてご紹介します。
【3】あせもの予防・対策
□皮膚を清潔に保ちましょう
汗をかいたら、出来ればシャワーを浴びて、汗を流したいものですが、外出先ではそうはいきません。
清潔なタオルなどで、こまめに汗を拭き取りましょう。
お子さんなら汗流しをかね、プール遊びもよいでしょう。

□高温多湿を避けましょう
同じ室温でも除湿するだけで快適さが違います。
室温や湿度の調節のため、上手にエアコンや除湿機を活用しましょう。

□快適な服装を心がけましょう
襟ぐりが大きく開いた洋服は、一見涼しそうに見えますが、首筋にかいた汗が吸い取られず、そのままとなり、あせもができやすくなります。
脇の下に汗がたまりやすいノースリーブも同様です。

ピッタリしすぎた洋服は通気性に劣ります。
体に合ったサイズのものを着用しましょう。
吸水性や速乾性の高い素材の下着や衣類がおすすめです。

赤ちゃんや小さなお子さんは、汗をかいても十分なケアができません。
両親や周囲の大人の配慮が必要です。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
こどもに多いあせもですが、最近では大人も、あせもで悩む人が増えているようです。

節電の影響から、冷房の使用を控えたり、設定温度を高めにする会社や公共機関が増えていることが原因になっているともいわれています。

暑い夏をのりきるための節電対策に関心が集まりますが、汗疹(かんしん)予防・対策にも関心を。

今回ご紹介した予防・対策を参考にしていただき、お祭りに花火大会、海水浴などイベント盛りだくさんの夏を楽しく快適に過ごしましょう。


※夏はあせもができやすいとはいえ、自己診断は禁物です。あせも以外の皮膚トラブルも多い季節です。気にかかる症状がある場合には、お早めに専門の機関へ相談されることをおすすめいたします。
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