健康コラム

no.66
テーマ:「肺」
2012年8月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

暑い日が続いています。

今日、8月1日は、「肺の日(81=ハイ<肺>)」です。

「肺の日」は、1999年に日本呼吸器学会によって肺の健康への関心を呼びかけるために定められました。

今月は、「肺」についてお話します。
【1】肺のしくみとはたらき
肺は、呼吸に関わる臓器で、空気中から酸素を体内に取り込んで、血液中の二酸化炭素を体外へ放出する役割をしています。

吸い込んだ空気は、気管から気管支を通って左右の肺に入ります。
そして、枝分かれした気管支の先端にある肺胞へ送り込まれます。

肺胞は、肺を構成する小さな袋状の組織で、約3~7億個もの肺胞がぶどうの房のように集まっていて、その表面は、毛細血管で覆われています。

肺胞では、肺胞と毛細血管との間にあるごく薄い壁を通して酸素と二酸化炭素の交換(ガス交換)が行われています。
【2】COPD?
近年、気管支が狭まったり、肺胞が壊れたりなど、肺への空気の通りが悪くなる病気が増加しています。
「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」です。

加齢による肺機能の低下、大気汚染、ウイルスや細菌への感染などでもおこりますが、主な原因は喫煙です。

そのため「たばこ病」や、長年の喫煙習慣が影響することから「肺の生活習慣病」とも呼ばれます。

COPDの初期症状として、咳、たん、息切れなどが見られます。
進行すると、全身に十分な酸素が供給されなくなるために、少しの動作で呼吸困難をきたし、日常生活もままならなくなってしまいます。

聞きなれない病気ですが、WHO(世界保健機構)の統計では、世界の死亡原因の第4位にもあがっている病気で、今後も増えることが予想されています。
【3】肺を健康に
肺は外気を直接体の中に吸い込むため、細菌やウイルスの影響を受けやすい臓器です。

肺の健康を保つために下記の事柄に気をつけましょう。

◎禁煙する
◎ストレッチや体操などで、呼吸に使う腹筋、胸筋、背筋、肩の筋肉を鍛える
◎かぜなどが流行しているときは、外出時にはマスクを着用する
◎バランスの良い食事をとる
◎十分な睡眠をとり、規則正しい生活を送る
◎ストレスを溜め込まないようにする

また、COPDでは、初期にありふれた症状を見せるため、「風邪や加齢のせいだ」などと思い込んで受診せずにいると、知らないうちに進行してしまっている場合があります。

予防が一番ですが、早期発見・早期治療も大切です。
風邪でもないのに咳やたんが続くようであれば、早めに専門医療機関を受診しましょう。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
今月は、肺についてお届けしました。

色々調べていると、肺の関わる病気に「オリンピック病」というのがありました。
「マイコプラズマ肺炎(※)」のことです。

かつて、日本では何故か4年周期で夏季オリンピックのたびに、流行を繰り返してきたため「オリンピック病」と呼ばれたそうです。

特に、1984年のロサンゼルスオリンピックと1988年のソウルオリンピックの年には、世界的に大流行したようですが、最近は、オリンピックに関係なく流行します。

先日、ロンドンオリンピックが開幕しました。

オリンピックの観戦で寝不足になり、体調を崩してしまわないよう、しっかり体調管理をし、暑い夏を乗り切りましょう。

※マイコプラズマ・ニューモニエという微生物が原因でおこる肺炎
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