健康コラム

no.72
テーマ:「しもやけ」
2013年2月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

相変わらず寒い毎日ですね。
さて、この時季に多いお悩みの1つが「しもやけ」です。

「しもやけは昔のこども達の皮膚トラブル」と思っていませんか?
大人でも、現代でも、しもやけに悩まされている人は多くいます。

実は、現代の生活の中にも、しもやけを引き起こす要因が隠れているのです。
【1】現代のしもやけ事情
「しもやけ」は、寒さや冷えなどからくる血行不良が原因で起こる炎症のことです。
別名を「凍瘡(とうそう)」と言います。

特に、手先や足先、耳、鼻など、細い血管が集まる体の末端部で症状が見られ、皮膚が赤く腫れたり、むずがゆくなったりするのが特徴です。

こどもや女性に発症することが多く、体質や遺伝などが関係しているとも言われています。

また、しもやけは、氷点下のときよりも気温5度前後のときや、日中と夜間の気温差が大きいときなどになりやすいことが知られているようです。

真冬だけではなく、これから春先にかけても注意が必要ですね。

最近では、急に寒くなったり暖かくなったりと、数日の間に激しい気温差がくり返されることも多いですし、暖房設備の充実によって屋内と屋外の気温差も大きく、私たちの体はさまざまな影響を受けています。

交通機関の発達もあり、長距離通勤や出張などで短時間のうちに気温差のあるところへ移動する人も多いでしょう。

このように気温差の激しい住環境や生活環境では、私たち自身の体温調節能力が低下してしまっていることも考えられます。

さらに、現代の生活スタイルによって、慢性的な冷えや血行不良に悩まされている人が多いのも事実です。

昔に比べて防寒設備は充実し、栄養事情も良くなっているはずなのに・・・。
しもやけは、現代でもなくならない皮膚トラブルの1つなのです。
【2】しもやけにならないために ~生活編~
◎体を冷やさないようにしましょう
手袋や靴下、耳あてなどで体の末端部をしっかり保温することはもちろんですが、体の中心部であるお腹まわりを冷やさないようにすることもすごく大切です。

私たちの体は、大事な臓器や器官の集まるお腹まわりを優先的に温めます。
手足の防寒をしっかりしていても、お腹まわりが冷えていては本末転倒。血液はお腹まわりに集中してしまい、逆に末端の冷えを招きます。
腹巻や下着などを活用し、しっかり温めましょう。

◎体を締めつける衣服は避けましょう
この時季、防寒のために体にフィットしたインナーを着用したり、重ね着をしたりと、さまざまな工夫をしている人も多いと思いますが、脱いだ後にくっきり跡がつくような衣服を身につけるのはNGです。

そのように体を締めつけてしまうと、血行不良を起こします。
外出時にはなかなか難しいかもしれませんが、家の中だけでも締めつけない衣服を身につけるようにしましょう。

また、見た目を重視した細いパンプスやブーツなども足先を締めつけ、蒸れや血行不良の原因になりますので注意しましょう。

◎手足を濡れたまま放置しないようにしましょう
水仕事をした後やお風呂あがりなど、手足(特に指の間)の水分をしっかり拭きとりましょう。
濡れたままにしておくことは、しもやけの大敵です。

また、私たちは冬でも汗をかいています。
特に靴下やストッキングをはいた足は要注意。
汗をかくと体温が奪われるため、冷えの原因にもなります。
汗対策をしっかり行いましょう。
【3】しもやけにならないために ~食事編~
食事では、さまざまな食材をバランス良くとりましょう。
食材数が多いほど、たくさんの栄養素をとることができます。

・主食(ごはん、パン、めんなど)
・主菜(魚介、肉、卵、大豆・大豆製品などを使ったおかず)
・副菜(野菜、いも、きのこ、海藻などを使ったおかず)

のそろった献立を心がけましょう。

また、しもやけの場合、血行を良くすることや体を温めることが大切です。

種実類、アボガド、かぼちゃなどに含まれるビタミンEには、血行促進作用があります。

体を温める働きのある食材(生姜、ねぎなど)と併せて、積極的に取り入れましょう。

さらに、皮膚を健康な状態に保つためには、たんぱく質(魚介、肉、卵、大豆・大豆製品などに含まれる)のほか、亜鉛(牡蠣、牛肉などに含まれる)などのミネラルやビタミンC(果物、野菜などに含まれる)などのビタミンも重要です。

冷えの予防についてはこちらもご参照ください。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
しもやけは、誰にでも起こりうる身近なものです。

直接生死にかかわるようなものではありませんが、むずがゆくて仕事や勉強に集中できなくなったり、手先や足先を使う日常の様々な場面に支障をきたしてしまいます。

普段から血行を良くする生活を意識して、春まで快適に過ごしましょう!

※しもやけになった場合や気になる症状がある場合には、早めに専門の医療機関へ相談し、専門医の指示に従いましょう。
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