健康コラム

no.193
テーマ:「ヤギミルク」
2023年3月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

ヤギミルクって見かけたことはありますか?

牛乳や豆乳に比べ、専門店以外で目にすることはまだまだ少ないですが、健康志向の高まりやアレルギー対策、ペット用として、日本でもヤギミルク製品の需要が増えています。

今回はそんなヤギミルクの魅力についてお届けします。
【1】ヤギミルクって?
ヤギミルクは牛乳と比べてどういった特徴があるのでしょうか?
その優れた点についてご紹介します。

●栄養価が高い

牛乳に比べてタウリンなどのアミノ酸、ビタミンB2、ナイアシンが豊富でミネラルバランスが優れています。

牛乳よりも人の母乳の成分に近いため、昔は母乳が出なくなったお母さんが赤ちゃんに飲ませていたそうです。

欧米では乳児用のミルクに使用することができるとEFSA(欧州食品安全機関)で承認を受けています。


●乳糖不耐症の原因となるラクトース(乳糖)が少ない

乳糖不耐症の方は牛乳に含まれるラクトースを分解する酵素が不足しているため、飲むとお腹がゴロゴロしたり、お腹がゆるくなったりします。

ヤギミルクは牛乳よりもラクトースの量が少ないため、症状が出にくいといわれております。

また、犬や猫はラクトースを分解する酵素が少ないため、ペット用としてヤギミルクを使用する方も増えているようです。


●消化吸収が良い

一般的にミルクは消化吸収に優れていますが、ヤギミルクに含まれる脂肪球は牛乳の6分の1とさらに小さいため、胃や腸の負担が少ないとされています。


●アレルギーが起こりにくい

牛乳アレルギーの原因たんぱく質のひとつ、α-ガゼインは人の母乳やヤギミルクにはほとんど含まれないため、アレルギーが起こりにくいといわれています。

※すでに牛乳アレルギーがある場合、飲用の際にはかかりつけの医師にご相談ください


その他、ヤギミルクは天然の保湿成分も含まれることから美容にも良いとされていて、スキンケア用品、石けんなども人気だそうですよ。

あのクレオパトラも美肌を保つためにヤギミルク入りのお風呂に入っていたのだとか!
【2】牛乳嫌いがヤギミルク飲んでみた
小さい頃から牛乳が苦手(乳製品は可)で、ヤギミルクに対しても初めは強い抵抗感がありました。

「クセがありそう」「臭いがきつそう」といったイメージは他の方もお持ちかもしれません。

会社で試しに飲まれた方から「飲んでみたけど全然臭くなかった」「薄い牛乳みたいな感じ」などと評判を聞き、思い切ってチャレンジしてみることに。

今回試したのは、脱脂粉乳タイプのヤギミルクです。
臭さはなく、お菓子の箱を開けた時のようなほんのり甘い香りがします。
粉の粒子が細かく、とてもサラサラしているので使いやすそうです!

ただ、いきなりそのまま飲むのは私にはハードルが高く…。
まずはココアを混ぜてトライ!


●ココア
→牛乳を使った時よりもあっさりした感じ
 ココアの味がほとんどでヤギミルクの主張は感じない


そこから徐々にヤギミルクに抵抗が無くなっていき、いろいろと試してみました!


●コーンスープ
→いつもと同じ味、美味しく食べられた


●ナスのトマトパスタ
→トマトソースの酸味がマイルドに
 塩気はないので、粉チーズの代わりにはならない


●辛口のカレー
→辛味が少しマイルドに
 多めに入れるのがおすすめ
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
●よかった点
・クセがなく、料理の邪魔をしないので何にでも使える
・粉の状態で他のものと混ぜておくと溶けやすい

●気になった点
・牛乳のようなコクはないので、コクがほしい料理には不向き
・すぐには溶けないので、よく混ぜることが必要

●まとめ
私自身は「この食品と相性抜群!」という感じではなく、何にでも使えて温かいものも冷たいものにも使えるのが一番メリットだなと感じました。

また、今回使ったヤギミルクは脂肪分が除かれた脱脂粉乳タイプのため、液体状や全脂粉乳(全粉乳)の場合はまた違う結果になりそうです!

牛乳に苦手意識のある方も是非一度試していただければと思います。
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