健康コラム

no.192
テーマ:「スパイス」
2023年2月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

最近“スパイスカレー”や山椒・花椒を使用した“シビ辛料理”など、香辛料を楽しむ料理が増えていますよね。

しかし、欧米などの諸外国と比較すると、日本人の香辛料の使用量はまだまだ少ないそうです。

2月に突入し、さらに寒さが厳しくなってきました。

こんな時こそ、体の芯から温まり、嬉しい効果も満載の“スパイス”を活用してみるのはいかがでしょうか?
【1】香辛料とは
香辛料とは、食品の調理のために用いる芳香性と刺激性を持った植物のことをいいます。

また、全日本スパイス協会の自主基準によると、香辛料は

「植物体の一部で、植物の果実、果皮、花、蕾、樹皮、茎、葉、種子、根、地下茎などであって、特有の香り、辛味、色調を有し、飲食物に香り付け、消臭、調味、着色等の目的で使用し、風味や美観をそえるものの総称」

と定義されています。

香辛料はハーブとスパイスに大別され、ハーブは茎と葉と花、スパイスはそれ以外を利用するものとされています。

現代では食材を美味しくいただくために使われるのがメインですが、原始時代にさかのぼると、肉類や魚介類の品質劣化防止の目的で使われていました。

今回は、香辛料の中でも“スパイス”に焦点をあてていきます!
【2】スパイスの効果
食品には、

1次機能:栄養素が生体に対して果たす機能
2次機能:嗅覚・味覚等の感覚に訴える機能
3次機能:生体調節機能

以上の3つの役割があり、スパイスは様々な3次機能をもつことが特徴です。

そのことから、香り・辛味をつけるだけでなく、漢方薬やアーユルヴェーダ(※)の素材としても用いられています。

(スパイスの主な効果:食欲増進、疲労回復、消化吸収促進、強壮、殺菌 など)

また、塩味を強く感じさせる“増塩効果”も期待できるので、うまく活用することで料理の減塩も可能です。

例えば…
・減塩した料理にブラックペッパーやチリペッパーを足すことで、味の物足りなさを補う
・肉や魚の下味にスパイスを使い、香りや風味を加える
・薄味の料理に、わさびや山椒を添える

などの工夫で、減塩食でも美味しくいただくことができます。

特に日本食は醤油・味噌・塩などを使用するものが多いので、日本人の塩分の過剰摂取は以前から指摘されています。

和・洋・中、どの料理にもスパイスは取り入れやすいので、ぜひ活用していただきたいです!

※ サンスクリット語で「生命科学」という意味で、インド・スリランカ発祥の伝統医療
【3】「カレー粉」に使われているスパイスは?
カレーは、最も身近なスパイス料理のひとつですよね。

家庭で作るときは「カレー粉」を使用することが多いと思いますが、どんなスパイスが調合されているかご存じですか?

日本では既製品が一般的ですが、インドでは各家庭で自製されることが多いようです。

カレー粉に使用される代表的なスパイスとその効果は以下の通りです!

【辛味】
●カイエンペッパー
→唐辛子の実を乾燥させたもの。
 辛味をつけるだけでなく、臭みを消す効果もある。

【味・香り】
●コリアンダー
→デトックス効果が高く、体内に溜まった毒素や有害金属が体外に排出されやすくなる。

●クミン
→消化液の分泌を活性化させ、食欲増進や消化の促進・整腸につながる。
 香気成分である「クミンアルデヒド」は、抗炎症・強壮・鎮痛作用などが期待できる。

●フェヌグリーク
→含まれる「コリン」「ジオスゲニン」などの成分は、脳細胞を活性化し、脳の老化を防止する働きがある。

●カルダモン
→ショウガ科のスパイスで、鼻の奥にスーッと通るすがすがしい香りを持つ。
 芳香性の健胃効果があり、消化を助けてくれる。

【色】
●ターメリック
→ウコンの根の部分にある色素である「クルクミン」は肝機能を活性化させ、抗酸化作用にも優れているので、美肌効果も期待できる。

●サフラン
→アヤメ科に属する植物で、その花のめしべを乾燥させたもの。
 抗酸化作用があるほか、肌の炎症やメラニン生成を抑える働きもある。

他にもニンニク、ショウガ、クローブ、フェンネルなど、様々なスパイスを調合してカレー粉は作られています。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
スパイスカレーが好きでよく食べにいくのですが、家でもどうにか作れないかなーと思い少しずつ買い集めています!

もちろんお店のような味にはならず…修行中です(笑)

カレー以外にも炒めものに加えたり、お肉やお魚に下味に使用するだけで風味を楽しめるので、色々な使い方があっておもしろいなぁと感じています。

特に「クミンシード」は、スパイス初心者でも使いやすいのでおすすめですよ~!
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