健康コラム

no.188
テーマ:「ごま」
2022年10月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

様々な料理の名脇役「ごま」。

メインとなる食材ではないですが、あの小さな粒の中に、体にうれしい栄養素がたっぷり含まれているんです!

昨今の健康志向の高まりから、さらに需要が拡大しているとか。

今回はそんなスーパーフード「ごま」のお話です♪
【1】ごまの歴史
最初にごまが発見されたのはアフリカのサバンナ地帯という説が有力で、約5000~6000年前に、アフリカの人々が原生のごまを食用に改良したのが始まりだそうです。

その後、ごまの食用文化は中東やヨーロッパに広がり、さらにシルクロードを経由して中国・日本に伝来しました。

アジアでなじみの深い食材なので、中東やヨーロッパに先に広がっていたのはちょっと意外でした!

日本に伝わったのは縄文時代後期(約3000~4000年前)で、奈良時代にはごま油がつくられています。

仏教が伝来し肉食がタブーとされた時代も、ごまは肉に代わる高タンパク食品として日本人の食生活を支える役割を担っていました。

現在も、アフリカなどの地域では多く栽培されています。
【2】ごまの栄養成分は?
ごまの成分比率は、以下の通りです。

【脂質】約50%【たんぱく質】約20%【ビタミン・ミネラル・食物繊維】約30%

含まれる脂質のほとんどは、不飽和脂肪酸であるリノール酸とオレイン酸です。
リノール酸は体内で作られず食品から摂取する必要のある「必須脂肪酸」であり、細胞膜の成分として、体の組織の維持に必要な栄養素です。

他にはパルミチン酸、ステアリン酸、トコフェロール類(ビタミンE類)も含まれています。

また、ごま特有の栄養成分セサミンや、鉄分・カルシウムなども含まれています。

セサミンには抗酸化作用があるほか、動脈硬化や脂質異常症等の予防効果もあるんです!

肝臓でのアルコール分解を助ける働きも期待できるので、お酒を飲む際にごまを使用した料理をおつまみにするのも良いかもしれませんね。
【3】白・黒・金…何がちがう?
ごまは、種子の外皮の色によって【白・黒・金】の大きく3種類に分けられます。

基本的な栄養成分は【2】の通りですが、それぞれに特徴があるのでご紹介していきます♪

【白ごま】

温帯や亜熱帯地域で栽培され、アフリカや東南アジアなど、世界各地で生産されています。
黒ごまと比べると脂質が若干多く、ごま油の原料としても使われています。

【黒ごま】

白ごまのように世界中で生産されているわけではなく、中国や東南アジアがおもな産地です。
種皮の黒い色にはブルーベリーと同じ、アントシアニンというポリフェノール色素や不溶性食物繊維の一種であるリグニンが含まれています。
さらに、種皮の割合が多く、他のごまよりカルシウム等が多く含まれています。

【金ごま】

「黄ごま」「茶ごま」などと呼ばれることもあります。
白や黒と比べると脂質が多く、コクのある味わいです。
懐石料理などで使われる事が多く、産地としてはトルコが有名ですが、近年では日本国内での栽培も増えてきています。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
ごまは「いりごま」「すりごま」「練りごま」など、様々な形態で販売されていますよね。

いずれも含まれている栄養成分は同じですが、表面の皮が細かくなるほど吸収されやすくなるので、ペースト状の「練りごま」が一番吸収率が高いんです!

美容や健康に役立つ成分がたっぷりなごまを、毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?^^
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