健康コラム

no.173
テーマ:「めまいと夏の不調」
2021年7月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

気温も上昇し、本格的に夏の気候になってまいりましたね!

日々様々なご相談をお寄せいただいておりますが、夏場などの季節の変わり目は特に「めまい」に関する内容が増えるように感じています。

皆さんも、立ち上がったときのふらつきなど、一度は経験したことはありますよね?

そんな、ありふれた症状であるめまいについてや、夏場の体調管理のポイントをご紹介していきます!
【1】めまいの種類
一口に「めまい」といっても、様々な種類があります。

●回転性めまい

自分自身がぐるぐる回ったり、周囲がぐるぐる回っている感覚になるめまいです。
また、物が左右上下に流れるように感じる場合もあります。
このめまいは、血流障害や内耳のむくみなど、平衡器官に急激な変化が起きたときに生じます。

●動揺性めまい

頭や体が揺れ、フラフラする感覚の症状です。
歩いてフラフラする場合は、小脳の障害が起きている可能性もあります。

●浮動性めまい

体がフワフワし、宙に浮いたような感覚になり、よく「船に乗っている」「雲の上を歩いているような感覚」と表現されます。
このめまいも、脳の異常が原因で起こることが多いといわれています。

●立ちくらみ

主に血圧の変動により起こり、立ち上がった瞬間にクラクラしたり、立った瞬間に目の前が暗くなる症状のことです。
普段低血圧の方や、お子様に起こりやすい症状です。

上記だけでなく、不安障害やうつ病などの“心の病気”から来るものもあり、様々なことに起因して起こるので、原因が分かりづらいのがやっかいなところです…。

「浮動性めまいがあるから、脳に障害が起きている!」と一概にはいえませんが、症状が起こったときにすぐ対処できるように、種類を知っておくのは良いかもしれませんね!
【2】夏場のめまいは熱中症の初期症状?
毎年この時期になると、熱中症の患者さんが急増しますよね。

熱中症は「体液の不足で起こる障害」と「体温上昇で起こる障害」の総称です。

重症度によって1度、2度、3度に分類され、1度である初期の症状の中に、今回のテーマ「めまい」も含まれます。

1度:めまいを自覚し、筋肉痛やこむら返りがある。汗がどんどん出てくる。
2度:吐き気や嘔吐、全身倦怠感がある。
3度:意識障害やけいれんがある。体温が高くなる。

1度から3度まであっという間に重症化し、3度になると直ちに病院での処置が必要になるので、迅速な対応が重要です。

めまいを発症したり、熱中症かな?と感じた際は
●風通しのよい、涼しい場所に移動する
●体を冷やし、すみやかに水分・塩分・糖分を補給する
まずはこの2つを徹底し、重症化しないよう早めの対処を心がけましょう!
【3】体調管理のポイントと対処法
では、めまいや夏の体調不良を防ぐポイント・対処法を、いくつかご紹介いたします。

《体調不良を防ぐポイント》
◎外気温と室内の温度差を5℃以内に設定する
→暑いとつい部屋の温度を下げすぎてしまいますが、体にとって負担のない温度差は±5℃が目安なので、エアコンの温度は26~28℃を目安に設定しましょう。

◎バランスの良い食事
→発汗で失いがちなミネラル類をしっかり補いましょう。

◎十分な睡眠をとる
→夏の不調と自律神経には密接な関係があるので、日々同じ睡眠リズムを保つように心がけましょう。

《対処法》
◎めまいが起こらないような頭の位置を探して、目を閉じて安静にする
→頭の位置を低くするとよくなるケースが多いです。

◎冷たいタオルをみぞおちに当てる
→吐き気や嘔吐がある際に効果的です。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
めまいは、様々なことに起因して発症するので「クラクラするけど原因が分からない…」と感じている方も多いと思います。

不調を感じた際はとにかく安静にすることが第一なので、無理せず、出来るだけのんびりお過ごしくださいね。
症状がひどい場合は、専門のお医者様にご相談いただくようお願いします。

今の時期はやはり熱中症から来るものが多いかと思うので、項目【3】のポイントを意識しながら、厳しい夏を楽しく乗り越えましょう♪
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