健康コラム

no.102
テーマ:「バナナ」
2015年8月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

夏真っ盛りですね。
さて、今週8月7日は“バナナの日”です。

8月は夏バテなど体力を消耗する日が多いことから、バナナを食べて暑い夏を元気に乗り切ってもらいたいと「日本バナナ輸入組合」によって定められました。

皆さん、バナナはお好きですか?
【1】高級品から身近な果物へ
日本にバナナがやってきたのは、明治時代。
台湾からカゴに入れられて到着したのがバナナ輸入の始まりだといわれています。

当時、バナナは一般庶民の口には入らない高級品でした。

その後、1963年に輸入が自由化されると、手頃な値段で、年中スーパーやコンビニエンスストアでも購入できるようになりました。

今では果物や間食としての利用にとどまらず、朝食やダイエット食品、スポーツ時の栄養補助としても人気が高まっています。

日本では、1人あたり年間で約8.2㎏のバナナ食べているそうですよ。
これは1週間におよそ1本のペースで食べている計算です。

果物の消費量は長年みかんがトップでしたが、2004年以降はバナナがみかんを上回っています。
それほど私たちにとって身近な存在になっているんですね。
【2】バナナもいろいろ
バナナの魅力のひとつは、種がなく皮がむきやすくて手軽に食べられるところですよね。

バナナを輪切りにすると、黒っぽい斑点があります。
これは種のなごりで、元々は小豆くらいの種があり、食べる部分の少ない果物でした。

種のないバナナは人工的に作られたものではありません。
遺伝子の突然変異によって、ある日偶然もたらされたといわれています。

人間にとって「種なしバナナ」は食べる部分が多く、都合がよかったので大切に育てられ、現在にまで至ります。

現在でも東南アジアでは野生の「種ありバナナ」が残っていて、現地の人は食べているそうです。

バナナの品種は世界でおよそ100~300種類あるといわれており、最近は品種改良も盛んで、ますます美味しさが追及されています。

ここでは生食用に栽培されている主なバナナをご紹介します。


◆ジャイアント・キャベンディッシュ
世界で生産されるバナナのほぼ半数を占めており、日本でみかけるフィリピン産バナナのほとんどがこの品種です。
病気に強く、果肉がなめらかでさっぱりとした甘さが特長です。

◆モンキーバナナ
長さが7~9センチほどの小さなバナナです。
甘みが強く、皮が薄いのが特長で「セニョリータ(お嬢さん)」とも呼ばれます。

◆台湾バナナ
台湾産バナナの総称で、品種としては「北蕉(ほくしょう)」と呼ばれます。緻密な肉質で、濃厚な甘さが特長です。

◆モラード
モラードはスペイン語で「紫色」のこと。赤紫色の皮に包まれた品種で、「赤バナナ」とも呼ばれます。
中身はほかのバナナと同じ白っぽい色で、あっさりした甘みが特長です。

その他にも日本ではあまり見かけませんが、煮たり、焼いたりして食べる料理用のバナナもあります。
【3】色によって栄養が変わる?
同じ品種のバナナでも、熟すにつれて皮の色だけでなく、味わいや香りが変わっていきます。
最近の研究では、栄養成分も変化することが分かってきました。

●青めバナナ →便秘解消やダイエットに!
両端が青いバナナには消化されにくいでんぷん質が多く含まれており、食物繊維と似たような作用によって整腸効果が期待出来ます。
また、黄色バナナや完熟バナナに比べると噛みごたえがあるので、ダイエット中の方にもおすすめです。

●黄色バナナ →疲労回復、美肌、アンチエイジングに! 
黄色く熟したバナナは栄養価が一番高いことで知られています。
特にビタミンB2やビタミンB6、ナイアシンなどが豊富なので疲労回復や美容にもばっちりです。


●完熟バナナ →免疫力アップ、胃潰瘍抑制に!
バナナは熟すほどに甘みが増しますよね。
さらに消化が良くなり、抗酸化力もアップします。
胃に負担がかかりやすい食生活をしている方や運動の前後に食べる場合には、消化吸収のよい完熟バナナがぴったりです。

熟した度合いによってこんなに違いがあるんですね。

また、バナナは気温が高くなるといたみやすくなります。
そんな時には、茶色い斑点が出てからバナナを1本ずつビニール袋などで包み、野菜室で保存しましょう。
常温より日持ちが良くなり、ひんやりとして美味しいですよ。

※長時間冷蔵庫に入れると皮が黒くなることがありますが、果肉の品質には影響ありません。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
メルマガを作る時、よく図書館で本を探します。
バナナ関係の本を調べていると『バナナは皮を食う』というエッセイ集を見つけました。

読んでみると、びっくり。
私たちが食べているバナナはすべて“皮”だそうです。

普段“皮”と呼んでいるのはバナナの「外果皮」で、食べている部分は「中果皮」「内果皮」にあたるそうです。

そう、私たちはバナナの皮を食べていたんです!(正確に言えば)

今回コラムに載せきれず残念ですが、調べるとその他にも「えっ知らなかった」「なるほど」がいっぱいなバナナ。
身近な果物なだけに、とても興味深かったです。

ちなみに世界で一番バナナを消費している国はどこでしょうか。
フィリピン?台湾?中国?

いいえ、正解は「インド」です。
インドはバナナの生産量もダントツの世界1位(世界の生産量の約30%)でそのほとんどを国内で消費しているそうです。
恐るべしバナナ大国、なインドでした。

そういえばバナナをカレーに入れると美味しいそうですよ。
私も今度試してみま~す!
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