健康コラム

no.155
テーマ:「静電気」
2020年1月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

新年のご挨拶を申し上げます。
2020年も、月刊ニックリ健康コラムをよろしくお願いいたします。

空気が乾燥しているこの季節、
ドアノブを触ると「バチッ」
セーターを脱ぐと「パチパチッ」

この時期特有のいや~な痛み、困っている方も多いのではないでしょうか。

今回は「静電気」の悩みがちょっとでも減るような健康コラムをお届けしたいと思います。
【1】静電気とは
静電気とは、一般的に「物と物」が触れあったり、擦れあうことによって発生する電気です。

金属類は電気を通しやすいため、静電気が起きてもすぐに放電されますが、プラスチックや衣類に使われる化学繊維は電気を通しづらく、静電気がたまりやすくなります。

人が金属などを触ると「パチッ」とするのは、体にたまっていた電気を一気に放電しているからなのです。

静電気は一年中発生していますが、湿度が高い(水分がある)と電気が逃げやすくなるため、発生しにくくなります。

反対に冬場は湿度が低く、空気中に電気が逃げにくいため、静電気が起こりやすいのです。

ただ、冬場であっても静電気が「あまり気にならない」という人もいます。
その違いは何なのでしょうか。
【2】静電気が起きやすい人って?
静電気が起きやすい人と起きにくい人との違いは何か。

実は、健康な人は自然放電しやすく、静電気が起きにくいといわれています。

つまり、静電気が起きやすい人は何らかの理由で放電されにくくなっているのです。
原因としては以下のようなものが考えられています。

●皮膚や髪の毛が乾燥している
●血液のイオンバランスが崩れている
●身につけた衣服が電気を帯びやすくなっている


また、静電気の困ったところは「痛い思いをする」だけではありません。

電化製品にホコリがつきやすくなるのと同様に、静電気を帯びた体はハウスダストや花粉、菌やウイルスなども引き寄せやすくなる上、髪の毛や肌にダメージを与えることも知られています。

「たかが静電気」と侮ってはいけませんね…。

次の項目では静電気を抑えるための具体的な方法をみていきましょう。
【3】今すぐ出来る!静電気対策
静電気対策のポイントは大きく3つ、「乾燥を防ぐ」「放電を促す」「静電気の発生を防ぐ」です。

まずは「乾燥を防ぐ」からみていきましょう。

●皮膚や髪の毛を保湿する

手先にハンドクリームを塗るのも大切ですが、「脇腹、スネ、背中」など衣服がよく擦れる部分もしっかり保湿しましょう。

また、髪の毛にとって静電気は広がるだけでなく、絡まりやすくなる原因にもなります。
乾燥を防ぐために保湿剤や洗い流さないタイプのトリートメントを使うとよいでしょう。


●湿度を保つ

冬場は暖房などによって室内の空気が乾燥しやすいため、加湿することを心がけましょう。

加湿器がない場合は部屋干しや霧吹きでの水まき、観葉植物や水を入れたコップを置くなどもおすすめです。

また、湿度を保つことは風邪やインフルエンザの予防にも大切ですよ。


次に「放電を促す」です。

●ドアや引き出しに触れる前に壁や木製家具などを触る

電気を通しやすい金属製のものを触る前に、壁や木製の家具などを「手のひら全体で」触っておくと体にたまった静電気をゆっくり逃がすことが出来ます。


最後は「静電気の発生を防ぐ」です。

●洗濯の際に柔軟剤を使う

柔軟剤は衣服の表面がなめらかに仕上がり、摩擦が少なくなるので静電気防止につながります。
さらに、電気をためにくくしてくれる働きもあるそうですよ。


●衣類の組み合わせに注意する

衣類にはプラスに帯電しやすい素材(ナイロン、ウール、レーヨン)と
マイナスに帯電しやすい素材(アクリル、ポリエステル、アセテート)があり、プラスの素材とマイナスの素材が擦れると静電気が発生しやすくなります。

静電気を抑えるためには違う性質の素材を重ねるのを避け、同じ性質の素材を組み合わせるのがおすすめです。

×静電気が起きやすいコーディネート例
ポリエステルのスカート・ナイロンのタイツ
ウールのセーター・ポリエステルのシャツ

〇静電気が起きにくいコーディネート例
ウールのスカート・ナイロンのタイツ
アクリルのセーター・ポリエステルのシャツ

少し難しいなと感じる方は、静電気が発生しにくい素材(綿、麻、絹)を取り入れることを意識するだけでもOKですよ。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
元々、私自身も静電気が起きやすい体質で、物だけでなく、人と手が触れた時にも静電気が起こってしまうことがあり、ちょっとした悩みのタネでした。

特に職場では金属製の引出しや蛇口に触れるたびに「バチッ」とくるので、冬場になると恐々触る日々…。

静電気除去アイテムを買った方がいいのか…と悩んでいたある日、ひざかけ代わりに持ってきていた綿タオルを何気なく椅子にひいていたら、「あれ、最近静電気こなくなったな」と感じるようになりました。

憶測ではありますが、椅子の座面が化学繊維で出来ているため、座るたびに摩擦で静電気が発生しやすくなっていたのかもしれません。

以来、化学繊維で出来たひざかけはサヨナラし、椅子には必ず綿タオルをひき、なるべく綿素材の服を着ています。

こんな簡単なことで劇的に静電気が減るとはびっくりです。

静電気に悩んでいる方は一度、騙されたと思ってやってみてはいかがでしょうか。
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