健康コラム

no.138
テーマ:「笑いヨガ」
2018年8月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

このところ地震や豪雨災害など、各地で被害が相次いでいます。
被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

今回は5月の健康コラム「続・笑いの効用」でご紹介した、「笑いヨガ」の体験レポートをお届けします。

「笑いヨガ」を知らない方に少しでも興味を持っていただければ幸いです。

※5月の健康コラム「続・笑いの効用」はこちらです。
【1】笑いヨガとは
笑いヨガとは、1995年にインドの内科医マダン・カタリア氏によって考案された、笑いを使った健康法です。
“笑いの体操”と“ヨガの呼吸法”を合わせていることから笑いヨガと呼ばれています。

笑いといっても、感情として笑うのではなく、吐く息に「ハハハ」と声を添えるだけ。
ユーモア、冗談、コメディは使わず、理由なく笑うというユニークな方法です。

つまり、笑いを呼吸法として考えて「ハハハ」と吐くだけで、ヨガのような健康効果が得られるのが笑いヨガです。

また、ヨガと聞くと、ポーズを取るのが難しいイメージがありますが、子どもからご年配の方まで、年齢や性別を問わず、誰にでも実践することが出来ます。(難しいポーズはありません)

笑いヨガは、インドのムンバイ公園でたった5人から始まり、今では100か国以上もの国に広がっています。

日本でも、最近は介護予防や認知症予防、運動機能の向上などを目的に
介護の現場でも笑いヨガを導入する例が増えているそうです。
【2】体験レポート①(@長岡京ラフター(笑い)ヨガ・バンビオ)
笑いヨガに興味はあるものの、これまでヨガをやったこともなく、普段から笑うことが少ないなと感じるこの頃。

雰囲気になじめるかなとドキドキしながらやってきたのは、京都府のJR長岡京駅近くにある中央生涯学習センター。

意外にも畳の敷かれた和室で笑いヨガのクラブが開かれています。

その日は私の他に、久しぶりに参加された男性2名、先生を含めて4名での笑いヨガとなりました。

先生に管理栄養士の仕事をしていることや、笑いの健康効果について興味を持ったことから今回参加したことなどを話すと、「前にもそういう仕事をしている方が来られてましたよ」とおっしゃっていました。

ここからはその日の笑いヨガのおおまかな流れをご説明します。

●準備体操
手足を脱力させつつ、「ハハハ」と声を出しながら部屋を歩き回る運動(ゾンビ)とその場で足ぶみしながら腿を90度に上げる運動を交互に繰り返します。


●自己紹介
こちらの笑いヨガでは“ラフターネーム”(笑いヨガ用のニックネーム)があり、本名でなく、首から下げたラフターネームを使って呼び合います。

自己紹介では何を言っても最後に「ハハハ」と笑うのが決まりで、恥ずかしいこともなんでも笑いに変えようというのがねらいです。


●笑いヨガのあれこれ
「じゃあ次はあれしようかな?」とその場その場で、先生がお題を出されます。

はじめは声を出しつつ、目を合わせながら皆さんと握手をしたり、ナマステのポーズをすることから始まりました。

そのうち、単にポーズを取るだけではなく「頭から脳みそを取り出して、キレイに洗いましょう!」など、頭から取り出して、脳みそをシャワーで丸洗いするジェスチャーや、アドリブでシャワーをかけ合うジェスチャーを「ハハハ」と声を出しながら行っていきます。
 
ただ、決まった動作をしたり、声を出すだけでなく、想像力を働かせて動きを作ったりと頭も使います。
はじめは少し恥ずかしい気持ちがあったものの、周りの方がごく自然にされているのを見て、自分もそこに溶け込んでいくことができました。

そして、何かひとつ終わるごとに毎回、「ほっほっほほほ、ほっほっほほほ、イエーイ」(リズムに合わせた手拍子とばんざい)
「やったーやったーイエーイ」(2回手拍子、イエーイでばんざい)
この動作を繰り返し行います。


●クールダウン
30分以上笑い続けると、体もほてり、頭もぼーっとしてきます。
その状態のまま帰るのは危険なので、いわゆるクールダウンの時間が必要になります。
先生によると「ヨガで言う“シャヴァーサナ”(屍のポーズ)」にあたる部分だそうで、体と脳のどちらも芯からほぐしていきます。
 
まずは、座布団の上に目をつぶったまま仰向けになります。
何分か無言で横たわっていると、かすかに電車の音が聞こえたりと穏やかな時間が流れていくのを感じます。
 
しばらくすると、先生が不思議な音色の楽器を鳴らしながら語りかけてこられます。
その言葉を聞きながら、深呼吸をしたり、ストレッチをしたりします。

笑いヨガの最中は汗をかくほどでしたが、クールダウンの後は体温が元に戻り、頭もすっきりとしました。
 

●座談会+カードを使った遊び
最後は先生が用意してくださったお茶やコーヒー、お菓子を食べながら参加した感想を言ったり、カードを使った遊びをします。
 
カードには「今日の服、とてもお似合いですね」といった、言われて嬉しい言葉が書いてあり、参加者全員がカードを1枚引き、その言葉を相手の方に読み上げるというものです。

読み上げる際、先生から「右隣の方はあなたのことをこう思っています」「あなたの苦手な方は本心ではあなたのことをこう思っています」などの言葉があり、1枚ごとに違った気持ちで言葉を受け取ることが出来ます。
 
カードに書かれたことをただ読み上げるだけなのですが、ポジティブな言葉をかけて貰えるのは嬉しいものだなと感じました。 
 
先生の話ではご年配の方のレクレーションとしても喜ばれているのだそうです。
【3】体験レポート②(@下鴨神社~ワールドラフターデー~)
5月6日は“ワールドラフターデー(世界中が笑う日)”を記念して、笑いヨガのイベントが各地で開催される特別な日です。

やってきたのは京都の下鴨神社近くの公園。
木々が生い茂る自然豊かな場所です。

長岡京でお世話になった先生をはじめ、別の地域で笑いヨガをされている先生、普段から笑いヨガに通っている方、今日が初めてという方など、小さいお子さんからご年配の方まで約30名ほどが集まってのにぎやかな笑いヨガとなりました。

長岡京での笑いヨガと同様に、準備体操や握手、ナマステのポーズをした後、ひとりずつお題の書かれたカードを引き、お題に合ったジェスチャーを全員で行うという笑いヨガを体験しました。

例えば私は“蓮の花”と書かれたカードを引いたのですが、みんなで手をつないで輪になったり、“バイク”のカードの時は自分自身がバイクになったつもりで歩きまわります。
もちろんその時も「ハハハ」の掛け声は欠かせません。

「お題は自分自身の解釈でOKですよ~」と呼びかけられており、子どものような自由な発想で楽しめます。

最後はクールダウンとして、みんなで手をつないで輪になり、立ったまま目をつぶって深呼吸をします。

また、笑いヨガの後には先生方お手製のおにぎりや持ち寄りのお菓子、さくらんぼなどをパクリ。
ピクニック気分でわいわいと過ごしました。

笑いヨガ自体まだ2回目ですが、少人数の部屋でのヨガはもちろん、天気が良い日はたくさんの方との外での笑いヨガもとても気持ちがいいなと感じました。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
長岡京での笑いヨガの際に「初めて笑いヨガをした時、ちょっとへんな宗教みたいであまり面白いと思わなかった」「何回かやっていくと面白いと思うようになった」と先生が話されていたのが印象的でした。

私自身も、最初同じようなことを感じたので、その話を聞いて「先生もはじめはそうだったんだな~」と安心しました。

慣れないうちは少し抵抗があるかもしれませんが、私自身は、「ハハハ」と声を出すことや周囲の方とのやり取りに慣れてくると、笑顔につられて気持ちが明るくなっていくのを感じました。

また、声をずっと出し続けるのは意外と体力がいるので、よい運動にもなります。

興味を持たれた方は是非、「笑いヨガ」で検索してみてくださいね。
近くのクラブや体験会を調べることも出来ますよ。

ご存知の通り、今年の夏は暑さが厳しいだけでなく、暑さが長期間続くと予想されています。

昨年の8月は東北や関東では天候不順となり、暑さも控えめでしたが、今年は全国的に厳しい暑さが続くようです。

「笑いヨガ」はもちろんのこと、屋内外での活動の際にはこまめな水分補給を心がけて、夏バテや熱中症にはくれぐれもお気をつけください。
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