健康コラム

no.125
テーマ:「ナッツ」
2017年7月号
【1】ナッツの歴史
ナッツとは、「種実類※」に分類されるもののうち、
木の実のことを指します。
※種実類とは、硬い殻や皮に包まれた食用の果実や種子の総称。

ナッツには栄養が豊富に含まれており、
採取も簡単で、そのまま食べたり、炒るなどの簡単な調理で食べられるものが多く、
貴重な栄養源として重宝されてきました。

特に狩猟採集が基本であった古代には、
ナッツは食生活の根源をなしていたと言われています。

その後、人類が穀物の栽培を開始するに伴い、
栄養源としての重要性は薄れましたが、嗜好品として重宝されるようになりました。

そして、それまでは採取だけだったナッツが、
農業の開始とともに栽培植物としても育てられるようになりました。

またナッツは、栄養源としてだけでなく、保存食や宗教的な供物にも用いられていたそうです。
例えばクルミは、紀元前7000年頃から人類が食用としていた最古のナッツと言われ、
エジプトでは国王の墓には必ず棺の中にクルミなどのナッツ類が供えられていました。

もちろん日本でもナッツは欠かせない食材で、
縄文時代からどんぐりやトチの実、栗、クルミなどを食べていました。

縄文時代の保存食として「縄文クッキー」というものがあります。
これは獣肉(シカやイノシシなど)に栗やクルミなどのナッツ、
卵を加えて焼いたもので、栄養価が高く、とても優秀な保存食だったそうです。
【2】ナッツの栄養
ナッツは、天然のサプリメントとも呼ばれています。

おいしいだけでなく、様々な栄養が豊富に含まれており、
最近ではその健康効果にも注目が集まっています。

ナッツが栄養豊富であるのは、
発芽するために必要な栄養を蓄えているからです。

では、どのような栄養が含まれているか、ご紹介していきます。

まず良質なたんぱく質や、
悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす
「リノール酸」や「オレイン酸」といった不飽和脂肪酸を含んでいます。

ほかにも、
・高脂血症や糖尿病、動脈硬化の予防・改善に必要な「ビタミンB群」
・ナトリウムを体外に排出して血圧の上昇を抑える「カリウム」
・骨を丈夫にして骨粗しょう症の予防に役立つ「カルシウム」
・貧血の予防に必要とされる「鉄」や「亜鉛」
・便秘の改善やコレステロールの吸収抑制に働く「食物繊維」
など様々な栄養素がバランス良く含まれています。

ただし、体に良いからと言って食べ過ぎはいけませんので、
1日25g程度を目安に食べましょう。
また最近では、1日分のナッツがバランスよく
小分けにされたものも販売されていますので、
1日の目安が分からないという方にはおすすめです。

ちなみに、ナッツに含まれる不飽和脂肪酸は酸化しやすいので、
開封後は早めに食べるか、高温多湿を避けて密閉容器などで保存しましょう。
【3】様々なナッツ
最後になりましたが、
ここで、様々なナッツの種類をご紹介したいと思います。

■アーモンド
 日本でもお馴染みのアーモンド。
 主な産地は、アメリカ・カリフォルニア州や地中海沿岸諸国です。
 起源は古く、4000年以上前の地中海沿岸・ヨルダン地方が原産で、
 日本へは、江戸時代にポルトガル人が持ち込んだのが最初だと言われています。

■カシューナッツ
 熱帯アメリカが原産です。
 「カシューアップル」という果実の外側先端にできる殻の中に入っています。
 主な産地は、インド、ベトナム、ブラジル、アフリカ各地ですが、
 特に皮をむいたり加工する技術を持っているインドの加工輸出量が多い傾向にあります。

■クルミ
 先ほどもご紹介しましたが、紀元前7000年には食べられていたという最古のナッツです。
 原産はイランで、現在は生産量の約2/3をアメリカ・カリフォルニア州が占めています。
 日本では、オノグルミやヒメグルミといった品種が縄文時代から食べられていました。
 その後、殻がやわらかくて割りやすいペルシアグルミがアメリカから渡来しました。
 
■ピスタチオ
 こちらもくるみと同様に歴史の古いナッツのひとつです。
 原産は地中海沿岸から西アジアとされており、
 現在では、イラン、トルコ、アメリカが主な産地です。
 実の緑が濃く鮮やかなものほど良いとされ、
 日本でも年々消費量が増加し、お菓子やアイスクリームなどの材料としても利用されています。

■マカダミアナッツ
 1857年にオーストラリア東海岸の亜熱帯森で発見された歴史の新しいナッツです。
 その後ハワイ島に防風林として移植されました。
 そして大規模農園が開拓され、ハワイ島が一大産地となっています。
 ハワイのお土産と言えば、‘マカダミアナッツ’というぐらい有名ですよね。

■ヘーゼルナッツ
 地中海沿岸から西アジアが原産とされています。
 独特の風味とコリコリとした食感を持ち、
 アーモンド、カシューナッツと並び世界三大ナッツのひとつと言われています。
 その風味から、製菓などのフレーバーとして使用されることも多く、
 またペースト状にした「プラリネ」はチョコレートやアイスクリーム、ケーキの素材としても有名です。

また、ナッツと言えば「ピーナッツ」を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、
実はピーナッツはマメ科の豆で、正式にはナッツではありません。

ただし、ナッツ類と同様に栄養価は高く、
不飽和脂肪酸や抗酸化作用のあるビタミンEが豊富に含まれています。

さらにピーナッツの薄皮には、
抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれているため、
皮ごと食べるのがおすすめです。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
食べ過ぎはよくないですよとお話ししましたが、
ナッツって一口食べるとついつい止まらなくなりますよね。
私もナッツが大好きで、日頃からよく食べています。

そんな私の、
おすすめの食べ方は‘ナッツのはちみつ漬け’です。

お店に並んでいるのをよく見かけますが、
自宅でも簡単に作ることが出来ますので、
今回はその簡単レシピをご紹介したいと思います。

①容器(瓶)を煮沸消毒し、しっかりと乾燥させる
②お好みのナッツをオーブンで軽くロースト(160℃で10分程度)する
③①の容器(瓶)にローストしたナッツと、浸るぐらいのはちみつを入れ
 一晩~3日ほど寝かせれば完成!

お好みで、はちみつをメープルシロップに変えたり、
ドライフルーツを加えるのもおすすめです。

※1歳未満のお子様は「乳児ボツリヌス症」の危険性があるため、
 はちみつはお控えください。

とっても簡単ですよね。

そのまま食べるのはもちろん、
トーストやパンケーキに乗せるのもいいですし、
ヨーグルトのトッピングやチーズとの相性も抜群です。
何にでも合うので、ぜひ作ってみてください。