健康コラム

no.9
テーマ:「特定健診・特定保健指導」
2007年11月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

みなさんはもうすぐ始まる「特定健診」「特定保健指導」をご存知ですか?

聞いたことはあるけど、詳しい内容は知らないという方も多いのではないでしょうか。
どのような人が対象になり、どういったことが行われるのか整理しながら、お話していきましょう。
【1】特定健診・特定保健指導 Q&A
Q. 今までの健診とどう違うのですか?

A. 今までの健診は個別疾患の早期発見が目的でしたが、特定健診では、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目し病気を予防する」ことを前提にした健診です。

検査項目としては、「お腹回りの測定」が追加されます。
特定健診の結果から、 内臓脂肪蓄積の程度とリスクに応じ、保健指導が行われます。


Q. 特定健診・特定保健指導はいつから始まるのですか?

A. 2008年4月から全国一斉に始まります


Q. 特定健診を受ける人はどんな人ですか? 「特定」って言うくらいだから特別な人??

A. 40歳~74歳までのすべての被保険者と被扶養者を対象に実施されます。
  これまでは、従業員だけに義務を課していた健診の対象範囲が、被扶養者にまで広がることになります。
【2】指導必要か さあチェック!!
<ステップ1> お腹周り測定でチェック!!

・腹囲 男性≧85㎝、女性≧90㎝  ・・・(1)
・腹囲 男性<85㎝、女性<90㎝ かつ BMI≧25  ・・(2)
※BMI=体重(kg)÷身長(m)2


<ステップ2> 血液検査でチェック!!

①血糖: 空腹時血糖100㎎/dl以上 
又は HbA1cが5.2%以上
又は、薬剤治療を受けている場合

②脂質: 中性脂肪150㎎/dl以上 
又は HDLコレステロール40㎎/dl未満 
又は、薬剤治療を受けている場合

③血圧: 収縮期血圧130㎜Hg以上 
又は 拡張期血圧85㎜Hg以上
又は、薬剤治療を受けている場合

④喫煙歴あり(①~③のリスクが1つ以上の場合にのみカウント)


<ステップ3> 保健指導対象者をグループ分け!!

<ステップ1>の結果が・・・(1)の場合
①~④のリスクのうち当てはまるものが、 
2こ以上・・・・積極的支援レベル                                   
1こ・・・・・・動機付け支援レベル
0こ・・・・・・情報提供レベル

<ステップ1>の結果が・・・(2)の場合
①~④のリスクのうち当てはまるものが、 
3こ以上・・・・積極的支援レベル
1~2こ・・・・・動機付け支援レベル
0こ・・・・・・情報提供レベル

※服薬により治療を受けている人は、特定保健指導の対象となりません。
※65~74歳の人は積極的支援になっても動機付け支援となります。


上記の内容は、今後変更となる可能性があります。
【3】特定保健指導
積極的支援レベル>動機付け支援レベル>情報提供
←←こちらに分類されるほど、内臓肥満リスクが高い状態となり指導内容も濃いものになります。

▽「積極的支援レベル」・・・・・・・・・・・・・・・・・・

積極的支援は、3ヶ月~6ヶ月程度続けられ、医師、保健師、管理栄養士などから定期的かつ頻繁な指導を受けることになります。

自らが取り組むべき目標を設定し、設定した目標達成に向けた実践をします。
中間評価では取り組み内容と結果について検討し、目標の見直しを行います。
そして最終評価目標の達成の為の実践を継続していきます。


▽「動機付け支援レベル」・・・・・・・・・・・・・・・・・

生活習慣の改善に対する目標を設定し、生活改善の為の動機づけを支援します。

自らが取り組むべき目標や実践可能な行動目標を決め、評価時期(6ヶ月後)等を設定します。


▽「情報提供レベル」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

問診や健診結果をもとにした生活習慣改善に必要な情報を提供します。
(健診結果と同時に一回限り)
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
厚生労働省によると、特定健診の対象者は約5700万人。
男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームまたは予備軍に当てはまり、特定保健指導を受ける人は1900万人を上回ると予想されています。

例えば、
ウエストは基準をちょっぴりオーバーの87cm
中性脂肪が少し高めの160mg/dl。
タバコも吸います。
という40歳男性であれば

<ステップ1>の(1)に該当し、
<ステップ2>でチェックが2つ付きます。
つまり、積極的支援レベルだと判断されます。

判定の基準は、非常に厳しいものとなっています。
指導が必要と判断される人は、現時点では問題なく生活を送っている人
がほとんどです。

内臓脂肪を減らし、中性脂肪、血糖値、血圧を正常値にコントロールするための基本療法はバランスの良い食事をし、毎日の運動を続けることです。

気候が良く体を動かすのに良い時期です。
日頃の運動不足を感じている方も、お腹周りの気になる方も、毎日の運動を習慣付けるチャンスです。

無理の無いペースで行うウォーキングや、エレベーターを使わず、階段を使っての昇り降りなどから始めてみてはいかがでしょうか。


また、夏に比べて汗をかくことが少ない季節ですが、運動中は、思っている以上に汗をかいているものです。
運動をするときにはしっかり水分補給を行いましょう。
【コラムの無断転載は禁止させていただいております】