健康コラム

no.11
テーマ:「風邪」
2008年1月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

あけましておめでとうございます。
気温が低く、空気が乾燥しやすいこの時期。
あちらこちらで「ごほごほ」「コンコン」と咳込む方やマスクを着けている方を多く見かけます。
今回は、身近なようで、実は意外と知られていない「風邪」についてのお話です。
【1】風邪(かぜ)の正体は?
風邪は、原因となるウイルスが鼻やのど、気管などの粘膜に取りついて増殖する為に起こります。

風邪ウイルスは200種類以上もあるといわれていますが、多くは、高温多湿の環境に弱いという特徴をもっています。

気温が低く乾燥した日本の冬は、ウイルスが活動する為にはベストな環境で、冬になると風邪をひく人が多くなるのはそのためです。

一方、風邪ウイルスのなかには、少数ながら高温多湿を好むものもいます。
いわゆる「夏風邪」の原因となるのが、これらのウイルスです。

誰もが一度は患った経験のある「風邪」ですが、 実は、医学的には「風邪」という病名はありません。

「風邪」は、鼻水、鼻づまり、発熱、のどの痛み、せきなどのさまざまな症状の総称で、正確には「風邪症候群」といいます。 
【2】風邪に負けない体づくり
風邪の予防には、第一にうがいが大切。
のどや口などに入りやすいウィルスを除去するのに役立つほかのどを潤して乾燥を和らげる働きがあります。

栄養面では、「ビタミンA・C・E(エース)」に注目!!

☆ビタミンA(緑黄色野菜)
鼻やのどの粘膜を守ります。

☆ビタミンC(野菜類、果物、いも類)
風邪ウィルスへの抵抗力を高めるために必要です。
寒さや疲労・発熱等のストレスでたくさん消耗されます。
         
☆ビタミンE(緑黄色野菜,種実類,大豆製品,植物油)
血行を良くし、免疫力をアップします。
        
また、風邪のひき始めは消化機能が低下することがあります。
油脂類を控えめにし、体を温めて免疫機能を活性化させる、温かくて汁気のある料理をお勧めします。

殺菌効果のあるネギ類や体を温めるショウガを利かせた料理もいいでしょう。
【3】世界の風邪予防法をご紹介
日本では、風邪をひきそうな時、しょうが湯やたまご酒を飲む習慣があります。

ここでは、世界のユニークな風邪予防法をご紹介します。

中国
水と酢を混ぜたものを鍋に入れて火にかけます。
鍋から立ち上る湯気で部屋を暖めます。
酢を含んだ蒸気が鼻の通りを良くします。

フランス
赤ワインを日本酒のようにお燗して飲みます。

ロシア
ロシアの厳しい冬を元気に乗り切るために欠かせないのがニンニク。
風邪の引きはじめや予防のために生のニンニクを食べます。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
年も改まり、一年のスタートの時期となりました。

こちら京都では寒さの厳しい毎日が続いています。

気温が低く、空気が乾燥しやすいこの時期。

風邪ウィルスは活発に活動しています。

今回は、この風邪ウィルスから体を守る「風邪」の予防についてご紹介しました。

それでも風邪をひいてしまったら・・・十分な睡眠と栄養を摂ることが回復への近道です。

まめな水分補給と併せて「ビタミンA・C・E(エース)」を含む食事をたっぷりと、また、風邪ウィルスによって炎症を起こした、のど、鼻、気管などの粘膜再生に役立つ、亜鉛(牡蠣、レバー、牛肉などに含まれる)を始めとするミネラルも積極的に摂りましょう。

お休みの時には、加湿器を使用したり、濡れタオルを干すなどして適度な湿度を保つことも大切です。

また、症状が長引くときには、たかが風邪と侮らず、医療機関を受診されることをお勧めします。

今後も、皆様の健康にお役立て頂ける情報を発信していきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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