健康コラム

no.13
テーマ:「ストレス」
2008年3月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

三月に入り、少しずつ春の気配を感じるようになりました。

三寒四温の言葉通り、日差しがポカポカ暖かい日が有れば、雪の舞う日も有ったりと寒暖の差のある日が続いています。
皆様お体の調子はいかがでしょうか?

現代は「ストレス社会」と言われます。
ストレスとは、医学的にいうと「なんらかの刺激が体に加えられた結果、体が示したゆがみや変調」のことをいいます。
ストレスというと、人間関係や不安といったような“精神的に負担がかかっている”状態を指すことが多いですが、例えば、寒さや暑さといった身体的な負担もストレスの一つです。
ストレスをなくすことは無理だとしても 「うまくつき合うにはどうしたらよいか?」「ストレスに強くなる食事は?」などを考えてみる事が必要ではないでしょうか?
【1】ストレスと胃腸の関係
ストレスのかかった状態を表現するとき、
「胃が痛くなる」「腹が立つ」「腹の虫がおさまらない」といった言い方をします。
その通り、胃腸はストレスの影響を受けやすい臓器の一つです。

では、ストレスが胃腸に与える影響とはどのようなものなのでしょうか?

健康な状態の胃では、食べ物を消化する胃液(攻撃因子)とその胃液から胃粘膜を守る働き(防御因子)があり、自律神経によって調整されています。

過度のストレスが続くと、自律神経のバランスが崩れて、攻防のバランスが乱れ、胃の粘膜への刺激が強くなります。
痛みを感じたり、ひどい時には胃潰瘍などの症状を起こします。

胃に不調が表れると、食べ物の消化が十分進まず、腸にも負担がかかることになります。
【2】ストレスに負けない食材選び
ストレスに負けない体作りのためには、しっかりと栄養を補給することが大切です。
ここではストレスに良いとされる食材をご紹介します。

【セロリ】
セロリは古代ギリシャ時代から薬草として用いられてきた食材。
医学の父、ヒポクラテスは「神経が疲れたならセロリを薬とせよ」と言い、独特の香り成分である「アピイン」に神経を鎮める効果があることがわかっています。

【野菜・果物】
ストレスのかかった状態になると、抗ストレスホルモンであるアドレナリンが分泌されます。
野菜、果物に含まれるビタミンCは、このホルモンの合成のために必要です。
ビタミンCはストレスによって、体外に排出されやすくなるので、ストレスの多い人ほどきちんととる必要があるといわれています。

【貝類】
ストレスによって消費されやすい、亜鉛やマグネシウム、カルシウムなどのミネラルをバランスよく含んでいます。
アミノ酸の一つであるタウリンが豊富で、タウリンには、体のバランスを保ち、自律神経の働きを整える作用があります。

【ココア】
独特のほろ苦さの素となっているテオブロミンという成分に自律神経を整える作用があります。

【牛乳】
アミノ酸の一種であるトリプトファンが豊富に含まれています。
トリプトファンは、心に安らぎを与えるセロトニンという脳内ホルモンの材料になります。
牛乳中のカルシウムは、吸収の良い形となっており、神経のいらだちを抑える作用をもち、イライラ解消に効果を発揮します。

【バナナ】
バナナに含まれる成分のビタミンB6とトリプトファン。
ビタミンB6は、トリプトファンがセロトニンに合成される為に必要です。
脳の唯一の栄養源である糖質を豊富に含んでいます。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
「ストレスなんて全部なくなればいいのに」
そう感じる方も多いと思います。

では、悪役として扱われがちなストレスがまったくゼロだと私達はどうなってしまうのでしようか?アメリカの心理学者が、ストレスについて行った実験があります。

ストレスが全くない部屋で過ごした結果・・・気温の変化に合わせて体温を調節機能が鈍くなったり、暗示にかかりやすくなるといった症状が出たそうです。
ある程度のストレスは生活する上で必要なもの。
ストレスと感じることも、それを乗り越えた時自分を成長させてくれるものなのかもしれません。

ストレスと上手く付き合って健康を保つ為に必要な栄養素をしっかり摂り、ストレス・疲労を感じたら、休息、睡眠をとり体を休めてあげましょう。
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