健康コラム

no.19
テーマ:「旬」
2008年9月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

朝夕日毎に涼しくなってきました。
皆様いかがお過ごしですか?

今月は「旬」をテーマにお届けします。
【1】「旬」を知らない子どもたち
最近では、旬を知らない子どもたちが増えているそうです。

たしかにスーパーに買い物に出かけると、季節や旬に関わらずほとんどの食材が一年を通して並べられており、旬がわかりづらくなっています。

冬のトマトに、夏のほうれん草。
今ではさほど珍しくもなく、当たり前のように見かける光景です。

旬とは、その食材が最もよくとれ、味のよい時期を言います。

日本には四季があり、昔から季節ごとに旬の食材を楽しんできました。
旬によって季節の移り変わりを感じていたとも言えるでしょう。

旬は3つの時期に分かれており、食材が一番おいしいとされる『さかり』の時期だけではなく、早く味わいたい!と、旬に先駆けて食べる『はしり』や、もう来年まで食べられないなぁ・・・と、旬が過ぎた頃に惜しみつつ食べる『なごり』も食文化のひとつでした。

昔は、旬以外の時期にその食材を手に入れることは難しく、『はしり』や『なごり』は贅沢とされていたそうです。

しかし現代では、栽培技術や品種改良、流通手段の進歩などによって、ほとんどの食材が一年中出回っており、簡単に手に入ります。

便利な時代にはなりましたが、このままでは旬を知り、旬を待ち、旬を楽しむという機会は減っていくかもしれません。

旬の食材を食べ、目や口から季節の移り変わりを感じることが、本当に豊かな食生活と言えるのではないでしょうか。
【2】「旬」は一石○鳥?
旬の食材と、季節はずれの食材。
見た目はそれほど変わらないようにも思えます。

しかし、旬の食材はおいしいだけではなく、栄養面でも季節はずれの食材を上回っているものが多いのです。

例えば、ほうれん草100g中に含まれるビタミンCについて見てみると、夏にとれたものでは20mgであるのに対し、旬である冬にとれたものでは60mgと、3倍量になっています。

秋が旬であるサンマやイワシは、脂がのっておいしくなるだけでなく、脳の活性化や生活習慣病の予防に役立つとされるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)も春や夏の2~3倍になると言われています。

また、旬の食材は大量に収穫される為、安価で購入できるのも嬉しいポイントのひとつです。

さらに、旬の食材は環境にも優しいのです。
旬の時期に作られる露地栽培のものは、ハウス栽培のものと比べると生産にかかる人工的なエネルギーが少なく、二酸化炭素の排出量も少なくなります。

旬でない食材を遠くの地域から運んでくるためには輸送や保冷のためのエネルギーが必要となりますが、地元の気候に合った旬の食材の場合にはそれも必要ありません。

おいしく食べて、体にもお財布にも環境にも優しい。
まさにいいことづくしです。
【3】「旬」を食べよう
旬の食材のいいところはまだまだあります。
四季折々の旬の食材には、その季節に合わせて、わたしたちの体の調子を整えてくれるはたらきがあるのです。

~春~
苦味成分のある食べ物は、春の陽気から来るのぼせを防いでくれます。
(タケノコ・ウド・フキノトウなど)

~夏~
水分の多い野菜や果物が汗で失われた水分を補ってくれます。
カリウムが余分な塩分や老廃物の排出を助けてくれます。
新陳代謝がよくなり体の熱をとってくれます。
(スイカ・キュウリ・ウリ・トマトなど)

~秋~
果物や芋類など栄養豊富な食材が多く、夏の暑さで疲労した体を回復してくれ、冬の寒さに備えます。
(柿・栗・梨・サツマイモ・サンマ・イワシなど)

~冬~
根菜類が豊富で、体を内側から温め消化を助けてくれます。
また、脂ののった魚介類が滋養をつけてくれます。
これらは、温かい汁物や鍋にすることでたっぷり食べられます。
(ダイコン・カブ・サトイモ・ゴボウ・カキ・アンコウなど)
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
私も毎日の献立を考えるとき、旬の食材を意識するようにしています。
健康、節約の両面でオトクなので、いつも助かっています。

食材の中には、肉、乳製品、卵など旬のないものもあります。
これらには季節感はありませんが、一年中安定した味や価格、栄養価で利用できるのが便利な点です。

そのように考えると、一年中いつでも食べられるという点ではかき肉エキスも「旬のない食品」と言えるかもしれません。

カキは、夏に食べられる岩ガキを除いて冬場が旬です。
夏の産卵に備えて栄養を蓄えるため、風味も良く、栄養価も高く、食べ頃となります。

日本クリニックのかき肉エキスは、豊富なミネラル類や、グリコーゲン、タウリンなどの栄養素がしっかり詰まった最も栄養状態の良い時期の国産生ガキを限定使用して、人の体内でより一層活躍してくれるように独自の研究開発を重ね、「深化した栄養」としてお届けしています。

旬の時期だけでなく、栄養補助食品として、いつでも、どこでもお召し上がり頂けます。

旬の食材を積極的に取り入れながら、不足しがちな部分は補助食品やサプリメントを上手に活用するなどして、うまくバランスのとれた食生活を送りましょう。
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