健康コラム

no.218
テーマ:「続・インフルエンザ」
2025年12月号
インフルエンザの流行が止まりませんね…。

例年であれば、インフルエンザの流行は12月頃から始まり、1月~3月にピークを迎えます。

しかし、近年は前倒しになる傾向があり、今年はなんと9月下旬~10月初旬にはすでに流行の兆しがみられました。

12月はイベントや年末年始の帰省などで人の移動がさらに盛んになる時期です。

感染リスクが高まるこれからの季節、改めて対策を見直してみましょう。

以前のコラムでも同じく“インフルエンザ”をテーマに取り上げましたが、今回は今年の傾向や最新の情報もふまえた内容でご紹介します。

よろしければこちらのコラムもご覧ください。
【1】早期流行の要因は?
インフルエンザの早期流行について、すでにニュースでご覧になった方も多いかもしれません。

要因には、『集団免疫の低下』『ウイルスの変異』や『人の移動・接触機会の増加』など様々なものが指摘されています。

また、見逃せない一因として『夏の記録的な暑さ』も考えられています。

記録的な猛暑による体力の消耗や、外出を控えたことによる運動不足、熱帯夜による睡眠不足などが重なり、免疫機能が回復していない人が多いことも感染拡大に影響したのではないかと考えられているのです。

今年のインフルエンザは「早く」「広く」「長く」がキーワードとしても挙げられています。
いつも以上の対策で備えたいですね。
【2】手洗い・うがいにプラス!「○○○の消毒」①
感染症予防の基本といえば、皆さんご存じの『手洗い・うがい』。

でも、手以外にもウイルスや菌の温床になりやすいものがあります。

それが“スマートフォン(スマホ)”です。

今このコラムをスマホで見ている方も多いのではないでしょうか。

日常的に触ることが多く、屋内だけでなく、外に出た時にも触ることが多いですよね。

電車の手すりやドアノブを触った後に操作したり、トイレに持ち込んだり、食事中に触ったりしていませんか?

スマホの表面は温度も適度にあるため、ウイルスや菌が付着しやすい場所です。

せっかく手を洗ってきれいにしても、汚れたスマホを触ってしまうと意味がないですよね。

帰宅したら手だけでなく、スマホも除菌シートなどを使って拭くことを心がけてみてください。
【3】手洗い・うがいにプラス!「丁寧な○磨き」②
歯磨きや口腔ケアは、虫歯や歯周病の予防のためだけのものと思っていませんか?

実は、インフルエンザの予防にも『歯磨き』が効果的であることが最近の研究で分かってきています。

口の中が汚れていて細菌が増えると、その細菌が出す酵素(プロテアーゼ)が、ウイルスの喉・粘膜への侵入を手助けしてしまうのです。

つまり、口の中を清潔に保つことは、ウイルスの侵入を防ぐ防波堤になります。

特に就寝中は唾液が減って菌が増えやすいため、「朝起きてすぐの歯磨き」をすることはとても大切です。

帰宅した際の手洗い・うがいに加えて、丁寧な歯磨きも日頃の習慣に取り入れてみましょう。

スマホもお口も清潔に保って、インフルエンザの予防に努めたいですね。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
10月にインフルエンザの予防接種の予約をした時のこと。

「今は在庫が不足しているので、お子さん優先で大人の方はお断りさせていただいています」とのお返事で驚きました。

もっと早くに予約をすればよかった…と後悔していたら、11月からは学級閉鎖も相次ぎ、学校から「不要不急の外出はしないように」と注意喚起があるなど、緊張感のある毎日です…。

予防接種が受けられなかった分、私自身も手洗い・うがいはもちろん
「スマホの消毒」「丁寧な歯磨き」を徹底して、なんとか元気に過ごしたいと思います。

師走は何かと気忙しい時期ですが、皆さまもどうぞ元気にお過ごしください!
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