健康コラム

no.216
テーマ:「たんぱく質」
2025年8月号
“災害級の暑さ”という言葉を耳にするようになりました。
北海道で40℃超えが予想されるなど、近年は本当に厳しい暑さが続いています。

毎日しっかりとご飯を食べられていますか?
暑さで食欲がなくなると、気になるのがたんぱく質不足です。

今回は今こそ摂りたい「たんぱく質」についてお届けします。
【1】たんぱく質って?
たんぱく質は、私たち人間にとって、生命活動を保つために欠かせないもので、炭水化物、脂質と合わせて“三大栄養素”と呼ばれます。

筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などを作る材料になるだけでなく、体の機能を調節するホルモン、酵素、抗体などのもとにもなる栄養素です。

たんぱく質は20種類のアミノ酸がたくさん結合して作られており、そのうち9種類は「必須アミノ酸」と呼ばれ、人間の体内で作ることが出来ないため、食品から摂らないといけません。

~たんぱく質を含む主な食品~
 肉類・魚介類・卵類・大豆製品・乳製品


1日に必要なたんぱく質の量は、18~64歳の男性は65g、65歳以上の男性は60g、18歳以上の女性は50gが推奨量となっています(※)。

たんぱく質の量は食材の種類や部位にもよりますが、大きくまとめると100gあたりで約20g含まれています。

毎食で手のひら1つ分に乗るくらいの量を意識すると、1日に必要な量を摂ることが出来ますよ。

※日本人の食事摂取基準(2025年版)
【2】たんぱく質が不足するとどうなる?
以前のコラムでも取り上げましたが、たんぱく質は夏に特に不足しやすい栄養素のひとつです。
その理由としては、夏場は暑さによって胃腸の機能が低下し、食事量が減ったり、さっぱりしたものを好むようになったりすることでたんぱく質が不足しやすくなるからだそうです。

また、たんぱく質が不足すると筋肉を消費してしまうため、筋力や体力が低下し、疲れやすくなってしまいます。

そのため、日頃から意識してたんぱく質を含む食品を摂ることが必要です。
【3】おすすめレシピ
「暑くて食がすすまない…」
そんな時に冷たい味噌汁はいかがでしょうか?

今回は宮崎の郷土料理である、冷や汁風の味噌汁をご紹介します。
サバ缶や豆腐など手軽な材料で作れて、しっかりたんぱく質も摂れますよ。

【材料】約4杯分
●サバ缶(水煮)…1缶
●絹ごし豆腐…200g
●だし汁…300ml
●味噌…大さじ1
●ゴマ…大さじ1

・きゅうり…1本
・生姜(すりおろし)…少々
・お好みの薬味…適量


【作り方】
①ボールに●の材料を入れ、サバと豆腐をほぐしながら混ぜて冷蔵庫で冷やす
②きゅうりを薄い輪切りにして軽く塩でもんでおく

③生姜はすりおろし、薬味を細かく刻んでおく
④①にきゅうり、生姜、薬味を加えたら完成
ご飯にかけてもよし!そうめんの汁代わりにも!

サバ缶の代わりにツナ缶を使っても美味しく召し上がれますよ。
是非お試しください♪
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
たんぱく質不足と聞いて思い出すのは、晩年の祖母の事です。

通院がある日はどっと疲れてしまい、「食欲がない…」と言ってはお茶漬けしか食べない生活が続いていました。

そのため、両親は少しでもたんぱく質をとれるようにと、たんぱく質がプラスされたスープや味噌汁、栄養機能食品などを買って少しでも食べてもらえるように頑張っていました。

たんぱく質は食事から摂れるのが一番よいのですが、食べる気力も無くなると難しいですよね。

口当たりのいい食品(冷やっこ、冷製スープ、ヨーグルト、豆乳など)やたんぱく質入りの市販商品を適宜取り入れながら、厳しい夏を乗り切りましょう。
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