健康コラム

no.213
テーマ:「色と心理②」
2025年2月号
昨年12月にUPした色に関する内容の第2弾です!

前回は色の歴史やホルモンとの関わりなどをご紹介しました。

今回は日常での使いこなし方や、誰かに話したくなるような雑学をご紹介します♪
【1】色を使って印象を変えよう!
色が心に与える影響を利用すると、周りに「自分はこういう人です」と自然に印象づける‟セルフ・プレゼンテーション"ができるといわれています。


●親近感を出す色

元気で陽気な印象のオレンジや明るく愉快なイメージのある黄色には、コミュニケーションを促してくれる効果があります。

オレンジの明度を変化させたベージュや茶色も◎


●安心感を与える色

ピンク、ベージュ、緑が効果的です。

特にピンクは赤ちゃんがお腹の中にいるときに包まれている色に近いことから、無条件に安心感を覚える色だといわれています。


●注目してもらいたいときの色

赤、黄、黒、紫が効果的です。

この4色は「何だろう?」と思わせて目を奪う要素のある色です。
目立つことによって知覚しやすいのは「赤、黄」、心配や恐怖から気になって注目してしまうのは「黒、紫」です。


●子供に好かれたいときの色

赤ちゃんは2~3ヵ月頃から色の感覚が発達しはじめます。

6歳頃までの小さなお子様は明度の高い黄色が大好きです。
そのほかにも、白やパステルカラーも明度が高いので好まれます。
【2】作業効率を上げる色がある?
皆さん一度は引っ越しをされた経験があるのではないかと思いますが、その時の段ボールの色を覚えていますか?

昔は茶色の段ボールが主流でしたが、今は白いものが増えています。

これは清潔感を高めたり圧迫感を抑える役割もありますが、作業をする方の心的負担の軽減を目的としている部分が大きいようです。

物の重量感は色の明度に影響を受けやすいので、明るい色は軽く、暗い色は重く感じやすくなっています。

重量感は肉体疲労や心的疲労に直結するので、作業スピードにも違いが生じるという訳です。

私たちも色の効果を使えば家事が早く進んだり、行動を軽やかにすることができるかもしれませんね!
【3】色雑学3選
●暗いところで目が慣れるのはなぜ?

暗闇に目が慣れる現象を「暗順応」といいます。

これは網膜内にあるロドプシンというたんぱく質が影響しており、目で光を感じて一定の時間が経つとロドプシンが溜まり、目が慣れていきます。

暗闇から明るいところに出た時の目の慣れのことを「明順応」といいますが、暗順応よりすぐ慣れますよね。

この理由は、ロドプシンは溜めるよりも分解する方が早いことによります。


●踏切はどうして黒と黄色?

これは、黒と黄色が最も視認性(※)の高い組み合わせだからです。

※…遠くからの見えやすさを表したもの。

「いち早く目に飛び込んでくる色」といえば赤を挙げる方も多いと思いますが、視認性の観点からは黒×黄色に劣ります。

黒×黄色がなぜ視認性が高くなるかというと、黒は後退色で黄色は進出色なので、色の前後差が大きくなることによります。


●絵の具はなぜ“ビリジアン”?

子供の頃、絵の具セットに“みどり”がなくて「あれ?」と思った方も多いのではないでしょうか。

大体“みどり”の代わりには“ビリジアン”が入っていますよね。

なぜビリジアンが採用されているかというと、混色性と発色性に優れているからです。

他の色と混ぜた時に様々な色を作りやすく、また単体でも草や木などの自然の緑に近い色を出せる点も特徴です。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
トレンドカラーの作られ方ってご存じですか?

決定するのは国際流行色委員会(International Commission for Color)、通称「インターカラー」という専門機関です。

ファッションの本場であるフランス・イタリアをはじめ、アメリカ・スペイン・中国・韓国、そして日本などの複数の加盟国で構成されています。

インターカラーでは年に2回会議を開催し、翌々年のトレンドカラーを選定します。

つまり、私たちが雑誌やショップの店頭で目にする流行色は、2年前から決まっているということになります。

「流行らせたい色」というよりは、しっかり話し合い「みんなが共感できるような色」が選ばれているということですね。

私は好きな色のお洋服ばかり買いがちなので、色彩学やトレンドカラーを参考にしながら、今後は様々な色に挑戦してみたいなと思います!
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