健康コラム

no.183
テーマ:「食にも方言が!?~食で全国旅気分♪~」
2022年5月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

みなさん、前々回(2022年3月)の健康コラムは読んでいただけましたか。

まだの方は読んでから、今回の分を読んでくださいね!
その健康コラムの社員アンケートの際に、【ご当地の食について、みなさんに知ってほしい!などがあれば教えてください】と聞いたところ、全国各地の食が集まりました!笑

まだまだ旅行には行きづらいという方もいらっしゃると思いますので、おうちにいながら全国の食について知れる機会になれば!

ではでは、【食にも方言が!?番外編】のはじまりはじまり~♪
【1】日本クリニックの社員に聞いた!ご当地食文化!!
日本クリニック社員のおすすめをご紹介~♪

詳しく書いてくださった2か所をお届け!!


★北の大地“北海道”

北海道といえば、“海鮮”“ジンギスカン”が有名だと思っていましたが、地元の方に聞くと、全国的にはあまり知られていないものもありました!!

・リボンナポリン
北海道にしか売っていない、オレンジ色のサイダー。
調べてみると、オレンジ味ではなく、あまい味のするサイダーとのこと。

・赤飯
赤飯は全国的には小豆で作りますが、北海道では“甘納豆”を使います。
そのため、一般的に知られている赤飯よりもあまいごはんです。

・ラーメンサラダ
北海道の定番サラダ。
簡単にいうと、ラーメンの麺を使った冷製サラダです。
ラーメンを茹でて冷やし、レタスやコーン、トマトなどサラダの具材を入れて味付けします。


どれも知らなかったので、勉強になりました~♪
いつか本場で食べるのを楽しみにしつつ、ラーメンサラダは自宅で簡単に出来そうなので、私の料理のレパートリーを増やすためにも作ってみようかなと思います♪


★海のないイメージもある“京都府”

京都といえば、京都市内ばかりがよく取り上げられますが、弊社の製造工場がある宮津市など北部の食を教えていただきました!!

・へしこ
若狭地方(福井県南部)や丹後半島(京都府北部)の伝統料理。
主に鯖を塩で漬けた後に、ぬかにも漬けてつくる保存食です。

・うご
エゴノリ(海藻)の呼び名。
海藻そのものだけでなく、寒天状にしたものも“うご”と呼ぶ。
この地域ではお祝いごとや仏事の際には必ず食卓にのぼるともいわれます。
ほぼ市場には出回りません。

・智恵の餅(ちえのもち)
やわらかい餅にこし餡をのせたもの。
日本三景のひとつ“天橋立(あまのはしだて)”の名物の和菓子です。
江戸時代から作られ、食べると知恵を授かるといわれています。
4軒の茶屋で食べることが出来ますが、それぞれ味は異なります。


私も京都府民ですが、あまり行くことがないので、知らないことも多かったです。
智恵の餅は好きで、何度か食べたことはありますが、いつもどのお店か忘れちゃうんですよね…。
お気に入りを見つけにまた行きたいと思います♪

おうちで楽しめるものもあると思いますので、地元の方しか知らない食文化を楽しんでみましょう~♪
【2】まだまだあります!各地の“お雑煮”
お雑煮については、今まで取り上げたこともありますが、なかなかすべてを紹介することはできていませんでした。

古くからその土地で愛されてきたものなので、人の往来が激しくなった現代においても、まだまだ地域差は根強く残っています。

来年のお正月こそは、「旅行先で…」「帰省先で…」お雑煮が食べたいですね!

参考にしていただきたいので、こちらも社員に聞いたお雑煮をいくつか紹介します。


★奈良県
餅:丸餅(煮る) 出汁:昆布/白味噌 特徴的な具材:きなこ

きなこを別皿で添えて、汁の中の丸餅を取り出して、きなこをまぶし、きなこ餅にして食べます。
きなこをまぶすからか、かつおは使わず、あっさり昆布だけで出汁をとります。

京都や大阪も白味噌のお雑煮ですが、きなこをまぶすのは、奈良県だけです。
また、その食文化は隣県にもあまり知られていません。


★和歌山県
同じ県の中でも、すまし汁と白味噌が混在しているとの声を伺ったので、書籍で調べてみると…白味噌のお雑煮だけでなく、地域によっては干した鮎で出汁をとるなどもありました。

今回は、白味噌でも奈良と異なるということで、白味噌のお雑煮を紹介します。

餅:丸餅(煮る) 出汁:かつお・昆布/白味噌 特徴的な具材:真菜(まな)

真菜というアブラナ科の野菜が入るのが特徴。
小松菜や野沢菜の仲間です。

隣接しているわけではありませんが、京文化の影響を受けたお雑煮となっています。


★香川県
餅:あんこ餅(煮る) 出汁:いりこ/白味噌 特徴的な具材:根菜

なじみのない方からすると、変わっていると思うあんこ餅入りですが、始まりにはこんな歴史があります。

香川といえば有名な砂糖“和三盆”がありますが、江戸時代、作ってはいるが庶民には手の届かない高価なものでした。

そこで、「お正月くらい食べたいから、お雑煮の中の餅にあんことして隠そう!」となったそうです。
ばれた時用に、塩入りのあんこ餅まで準備していたとのこと!

そんな風にできたお雑煮だと思うと、今までと見方も変わるのでは?


★徳島県
香川県と同じようにあんこ餅を入れるところもあるとのことですが、あんこのない丸餅を入れる地域もあります。

出汁は香川県と同じようにいりこ出汁に白味噌。

中でも特徴的なのは、祖谷(いや)地区のお雑煮です。

餅:なし 出汁:いりこ 特徴的な具材:里芋・岩豆腐

岩豆腐とは木綿豆腐をかたくしたもの。
なんとひもでくくっても割れない豆腐です。

里芋などを入れ、いりこ出汁を注いだ後、上にこの岩豆腐をのせて完成。

インパクトのある見た目なので、気になった方は、調べてみてくださいね!


★広島県
餅:丸餅(煮る) 出汁:昆布 特徴的な具材:牡蠣

牡蠣のエキスが出ることで、うま味がアップ。
牡蠣は栄養もたっぷりなので、お正月から元気になりますね♪

その他にも、海沿いの県ということもあり、地域によっては、ぶりとハマグリを使ったお雑煮やアナゴのお雑煮などもあるそうです。


その他に、お正月に食べるおもちに、東北の方では“くるみ”や“ごま”もあることがわかりました!!


今回教えてくれた社員が西日本中心だったので、偏った地域の紹介になり申し訳ございません…。

みなさんの地域のお雑煮はここに載っているものと、またひと味ちがいますか?

おすすめのお雑煮があればいつか食べに行きますので、教えてくださいね!


過去に紹介した内容はこちら!
【京都府・岩手県・鳥取県・福岡県のお雑煮を紹介しています。】
【3】給食にも食文化が色濃く反映♪
食育の回でもお話ししたことがありますが、最近は、おせち料理を食べたことがない、生まれ育った地域にしかない食材を知らない…など食に対する関心が薄れているとも。

子どもたちの食に関わる“食育”の一環として、【給食】で地域の食文化を伝える自治体が多くなっています。

全国各地の給食を見れば、その土地の有名なものがわかりますよ~♪

私が食べてみたい!と思った給食をご紹介します!(笑)


★秋田県
・とんぶり和え
とんぶりをほうれん草やキャベツ、にんじんと和えた料理です。
とんぶりは、ほうきの材料になる“ほうき草の実を加工したもの”で、その見た目から“畑のキャビア”ともいわれます。
ほうき草は全国的に栽培されていますが、実を加工するのは、秋田県だけです。


★岐阜県
・朴葉ずし(ほおばずし)
朴の木の葉でくるんで作る白川町の郷土料理です。
各学校の保護者が集めた葉で作ります。
酢飯と4種類の具を彩りよくのせて作ります。


★和歌山県
・めはりずし
高菜漬けの葉でごはんを巻いたおすしです。
「すし」とつきますが、お酢は使っていません。
県南東部の東牟婁(ひがしむろ)地方は、昔から林業が盛んで、その合間に食べられるように高菜でごはんを巻いたのがはじまりとされています。


★岡山県
・ばらずし
魚介類や野菜などの具材を混ぜたごはんに、ひとつずつ味付けした具をのせる郷土料理です。
給食では、れんこんやごぼうなどの根菜やあなごなどが入っているそう。

江戸時代、備前の国(現在の岡山県)の藩主が、「食事は一汁一菜にせよ!」という命令を出しました。

庶民はおめでたい日くらいごちそうを食べたいと思い、ごはんに10種類ほどの具材を混ぜ込んだのがはじまりといわれています。


たまたまですが、おすし中心になってしまいました(笑)。
私の好みが出てしまった形となりましたが、取り上げた以外にも全国にはバラエティーに富んだ給食が!

地域が異なる友達と話すと、こどもの頃になじみがあった給食や好きだった献立が全くちがうことも多いですよね!
それをネタに話すだけでも、食育につながります。

全国の給食が載った書籍もありますので、よろしければ調べてみてくださいね♪


これを機に“食育”を学びたい!というあなたはこちら!!
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
3月と今月で、各地の食について私からお届けするのは一旦終わりにしますね!
(調べれば調べるほど、どんどんいろんな地域差が出てくるので…。)

いろいろな食についてお届けしましたが、

【地域の料理=地元の食材を多く使っている】

ものが多いです。

地場産の野菜は、収穫をぎりぎりまで遅らすことが出来る(朝採りなど)ので、たっぷり栄養を蓄えた状態となり、それを使った料理は栄養がきちんと摂れます♪

以前もお伝えしたように、人の往来が多くなると、その地域らしさは失われていきます。

昔からの慣習には、今の私たちから見ると「しょーもないな…」「それって何のため?」ということが多々あります…。

しかし!
先ほどもお伝えしたように、食に関しては、その地域の食や行事食には旬のものが多く使われているので栄養価が高いなど、理にかなっていることも多いです。

最近は、企業や行政でも“食育”が行われていますが、基本は家庭での“食育”です。

私も親になったら、それどころではないかもしれませんが…
地域や季節の食については取り入れるようにし、出来る範囲の食育は家庭で行っていこうと思っています♪
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