健康コラム

no.37
テーマ:「耳」
2010年3月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

あかりをつけましょ ぼんぼりに~♪
お花をあげましょ 桃の花~♪
3月3日は桃の節句、ひなまつりです。
女の子のいる家庭ではきっと賑やかな1日になるでしょうね。
そして、3月3日は「耳(みみ)」の日でもあります。
昭和31年、耳の健康や聴力への関心を高めるために、日本耳鼻咽喉科学会の提案によって制定されたそうです。
今回は、耳に関する“耳”寄り情報をお届けします。
【1】意外と知らない?耳のはたらき
耳には、大きく分けて2つの役割があります。

一つ目は、皆さんもよくご存じのように、「音を感じる」ことです。

耳は、外側から“外耳”“中耳”“内耳”の3つの部分で成されており、外耳と中耳は鼓膜によって隔てられています。

音は、左右の外耳を経て鼓膜を振動させ、中耳から内耳の“蝸牛(かぎゅう)”という部分に伝えられ、そこで電気的信号に変換され、神経を通って脳に伝えられます。

この中のどこかに異常が生じると、耳なりや難聴の原因となります。

そして、耳のもう一つの役割は、「平衡(バランス)感覚を司る」ことです。

意外に思われるかもしれませんが、平衡感覚は、内耳にある“前庭(ぜんてい)”という部分で感受されており、内耳の異常は、めまいやふらつきの原因となります。

“蝸牛”と“前庭”は、非常に近い場所にあり、互いに影響を与えやすいため、耳のトラブル(耳鳴りや難聴など)を訴える人ではめまいなどの症状も一緒に現れやすくなることが知られています。

内耳の障害が原因と考えられているメニエール病においても、耳なり、難聴、めまいなどが主な症状となります。
【2】快聴な生活を送ろう
耳なりや難聴は、前項で触れたような耳自体の異常以外に、高血圧や動脈硬化、糖尿病、自律神経失調症など全身的な疾患の症状として現れることもあります。

また、心や体の健康状態にも影響を受けやすいため、ストレスや疲れがたまっていたり、寝不足が続いている状態では、症状が悪化しやすくなることも知られています。

耳なりや難聴は、それ自体が命の危険に関わるわけではありませんが、気になって眠れなくなったり、仕事や勉強に集中できなくなったりと日常生活に大きな影響を及ぼします。

そして、それがまたストレスになると・・・悪循環に陥りますね。

日頃からゆっくり休養をとって、ストレスや疲れを解消しましょう。

バランスの良い食事、適度な運動、そして何より十分な睡眠。

生活のリズムを整え、心身の健康を保つことが大切です。

ストレスや疲労の解消には、ミネラルやビタミンをしっかりとりましょう。

以下のコラムもご参照ください。

健康コラム第13号「ストレス」 【2】ストレスに負けない食材選び
健康コラム第22号「疲労回復」 【2】栄養素や有効成分で疲労回復
スポーツや趣味の時間を持つことで気分転換をしたり、ぬるめのお風呂でゆっくりリラックスするのも良いですね。

また、どうしても耳なりが気になる場合には、好きな音楽を流して気を紛らわすのも一つの方法です。
【3】耳にまつわるエトセトラ
日常生活の中から、耳に関する疑問を集めてみました。

◎エレベーターや飛行機で耳がつまるのはなぜ?

→耳と鼻腔・咽頭は、耳管(じかん)と呼ばれる管でつながっており、通常、耳の中の気圧と外の気圧が同じになるように調節されていますが、耳管の機能が悪くなると、耳の中の気圧が異常になってしまいます。(耳管開放症、耳管狭窄症など)

エレベーターや飛行機の離着陸では、急激に外の気圧が変化するため、耳の中の気圧と外の気圧に差ができ、耳のつまり感が生じます。

これは、健康な人でも起こる一時的な現象です。

唾を飲み込んだり、口を大きく開けることで耳管が広がり、耳の中の気圧と外の気圧が一致すると解消されます。


◎耳に水が入ったらどうしたらいいの?

→耳を下にして飛び跳ねる姿はよく見かけますね。

それ以外では、温かくしたタオルを耳にしばらくあてておくと、水が出てきやすくなります。

また、ティッシュペーパーで作ったこよりをゆっくり耳の中へ差し込んでいくと、耳の奥にある水をティッシュペーパーが吸いとってくれます。  


◎耳そうじは毎日した方がいいの?

→正常な耳あかは、殺菌作用や耳の皮膚の保護作用などの重要な役割を持っています。

通常、古い耳あかは自然に外の方へ排出される仕組みになっているため、耳そうじは、外から見える部分がきれいになる程度に適度なペースで行いましょう。

耳あかが過剰にたまって耳の通り道がつまると、耳が聞こえにくくなったり、水が抜けにくくなることもありますが、逆に、耳そうじのしすぎによって皮膚を傷つけてしまうと、外耳炎などの耳の病気にかかることもあるため、注意が必要です。

※ いずれの場合も、不快な症状が続く場合には お早めに専門の機関にご相談ください。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
小さい頃、母の膝枕で耳そうじをしてもらうのが大好きでした。

気持ち良くてついウトウト・・・なんてこともしょっちゅうで、母に「終わったよ」と言われても、「もうちょっとやってよ」としつこくお願いしたものです。

最近では、耳そうじと一緒にツボマッサージなどをしてくれる「耳エステ(イヤーエステ)」というリラクゼーションメニューも注目を集めているようですね。

絵本で、『耳かきのすきな王さま』という童話があります。

耳かきの好きな王様が、自分の家来たちにも耳かきをするのですが、耳かきのしすぎで家来たちの耳に穴があいて、両耳が貫通してしまうというお話です。

耳に穴のあいた家来たちは、王様の言葉や命令を覚えられなくなってしまい、困った王様は、それからは適度に耳かきを楽しむようになります。

実は私も、以前は毎日のように耳そうじをしていたのですが、それで一度耳を傷つけたことがあり、その後は、ほどほどにするようにしています・・・。

皆さんも気をつけてくださいね。
【コラムの無断転載は禁止させていただいております】