健康コラム

no.219
テーマ:「早食い」
2026年2月号
※掲載内容は公開時の情報に基づいています。最新情報は別途ご確認ください。

まだまだ寒さが厳しい2月。
寒さで活動量が減り、正月太りがなかなか解消されない…
とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

そんな時期に、ぜひ見直していただきたいのが「食事のスピード」です。
お腹が空いているときや時間がないとき、ついつい「早食い」になっていませんか?

実は、食事のスピードは私たちの体の機能に大きな影響を及ぼしています。
【1】早食いが招く3つの健康リスク
食事のスピードは、単なるマナーの問題ではなく、私たちの体の機能に直接影響します。
早食いが引き起こす主な健康リスクを見ていきましょう。

●肥満リスクの増大
満腹を感じるホルモン(レプチン)が分泌され、脳に伝わるまでには、食事を始めてから約15〜20分かかるといわれています。
早食いをすると、脳が「お腹いっぱい」と判断する前に必要以上の量を食べてしまい、結果として摂取カロリー過多を招きます。

●糖尿病リスクの上昇
一気に食べると血糖値が急上昇し、それを下げるために膵臓が短時間で大量のインスリンを分泌しなければならず、負担が蓄積します。
こうした状態が繰り返されると、徐々にインスリンの効きが悪くなり、糖尿病のリスクを高めてしまいます。

●消化器官への負担
よく噛まずに飲み込むと、食べ物が大きな塊のまま胃へ送られます。
すると胃は本来の役割以上の「食べ物を細かくする作業」を担うことになり、消化に時間がかかります。
これが胃もたれや逆流性食道炎、さらには腸内環境の悪化による便秘などを引き起こす原因となります。
【2】しっかり噛んで早食い克服
早食いに気をつけていても、美味しそうな料理を前にするとつい箸が進んでしまいがちです。

まずは、早食い改善の基本「しっかり噛んで食べること」を意識してみてください。

「一般社団法人 日本肥満学会」の「肥満症診療ガイドライン」でも、肥満の行動療法の一つとして「咀嚼法」があげられており、一口30回噛むことが推奨されています。

よく噛む習慣をつけるだけで、体には嬉しい変化が現れます。

●自然なダイエット効果
満腹感が得られやすくなり、無理なく食べ過ぎを防げます。

●代謝アップ
噛む回数が増えると、消化器官への血流が増えて消化活動が活発になります。
その結果、食後のエネルギー消費である『食事誘発性熱産生(DIT)』が高まり、代謝アップにつながります。

●味覚の鋭敏化
ゆっくり、よく味わうことで、少量、薄味でも満足感が得られるようになります。

具体的な早食い対策として、おすすめしたいのが、「一口ごとにお箸を置く」習慣です。
連続して口に入れるのを防げるため、自然と食事のペースがゆっくりになります。

また、調理の際は、食材を厚めに切り、噛み応えのある状態にすることや
テレビやスマホを見ながらの「ながら食い」を控えて食事に集中することも大切です。
日々の生活の中で、無理なく取り組める方法から意識してみてください。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
実は、私自身も気を抜くとついつい早食いになってしまいます。
気がついたら一番にご飯を食べ終わっていることも…。
そんな私がペースを抑えるために気をつけている点は、「一口を小さくすること」です。

実は食事中の「一口の大きさ」とBMIに関する実験データもあり、一口の量が多いほど肥満のリスクが高まる可能性が示唆されています。
口に入れる量を減らせば、自然と噛む回数が増え、満腹感を得やすくなります。

1回の食事の時間が15分以下だと、早食いといわれています。
まずは、ご自身が早食いかどうか確かめてみてはいかがでしょうか。
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