5年ごとに改定される「日本人の食事摂取基準」(以下、食事摂取基準と表記)。
4月から新しく、2025年版の食事摂取基準が使われるようになります。
「2020年版からどう変わるの?」「そもそも食事摂取基準って何?」といった疑問にも分かりやすくお答えします!
4月から新しく、2025年版の食事摂取基準が使われるようになります。
「2020年版からどう変わるの?」「そもそも食事摂取基準って何?」といった疑問にも分かりやすくお答えします!
【1】食事摂取基準Q&A
【食事摂取基準って何?】
日本人が食事からどれくらいエネルギーや栄養素を摂ったらいいかを年代・性別ごとに示した基準です。
以前は“栄養所要量”という名称が使われており、2005年から現在の食事摂取基準に変わりました。
国が最新の研究成果をもとに、5年ごとに内容を見直しています。
【どうして5年で改定するの?】
5年ごとに改定することで、食生活の変化や最新の研究成果を反映出来るようにするためです。
【どんな人のために作られているの?】
健康な日本人(0歳から75歳以上の高齢者まで)を対象として作られています。
ただ、何らかの軽い疾患(高血圧・高脂血症・高血糖など)があっても、自立した(歩行や家事などの身体活動が行える)生活を送っていて、標準的な体格から大きく外れていなければ対象に含まれます。
日本人が食事からどれくらいエネルギーや栄養素を摂ったらいいかを年代・性別ごとに示した基準です。
以前は“栄養所要量”という名称が使われており、2005年から現在の食事摂取基準に変わりました。
国が最新の研究成果をもとに、5年ごとに内容を見直しています。
【どうして5年で改定するの?】
5年ごとに改定することで、食生活の変化や最新の研究成果を反映出来るようにするためです。
【どんな人のために作られているの?】
健康な日本人(0歳から75歳以上の高齢者まで)を対象として作られています。
ただ、何らかの軽い疾患(高血圧・高脂血症・高血糖など)があっても、自立した(歩行や家事などの身体活動が行える)生活を送っていて、標準的な体格から大きく外れていなければ対象に含まれます。
【2】2025年版ではどう変わる?
主な変更点は以下の3点です。
[1]骨粗鬆症とエネルギー・栄養素との関連についての解説が追加
[2]食物繊維の目標量の変更
[3]鉄の耐容上限量の削除
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう!
[1]骨粗鬆症とエネルギー・栄養素との関連についての解説が追加
生活習慣病には習慣的なエネルギー・栄養素の摂取が深く関係しています。
日本人にとって特に発症・重症化の予防が重要であると考えられる生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病・慢性腎臓病(CKD))に、今回骨粗鬆症が新たに加わりました。
骨粗鬆症は疾患そのものより、それによって起こる骨折が寝たきりや介護状態につながることから予防の重要性が指摘されています。
[2]食物繊維の目標量の変更
食物繊維は摂取不足が生活習慣病の発症に関連するという報告が多いことから、目標量が設定されています。
最新の研究で「少なくとも1日あたり25g~29gの食物繊維の摂取が、様々な生活習慣病のリスク低下に寄与する」ことが明らかになりました。
そのため、生活習慣病予防の観点から理想的な摂取量が従来より1g多い「1日25g」になり、この値と日本人の摂取量との中間値を参考として目標量が設定されました。
各年代の目標量(※)は以下の通りです。
[1]骨粗鬆症とエネルギー・栄養素との関連についての解説が追加
[2]食物繊維の目標量の変更
[3]鉄の耐容上限量の削除
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう!
[1]骨粗鬆症とエネルギー・栄養素との関連についての解説が追加
生活習慣病には習慣的なエネルギー・栄養素の摂取が深く関係しています。
日本人にとって特に発症・重症化の予防が重要であると考えられる生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病・慢性腎臓病(CKD))に、今回骨粗鬆症が新たに加わりました。
骨粗鬆症は疾患そのものより、それによって起こる骨折が寝たきりや介護状態につながることから予防の重要性が指摘されています。
[2]食物繊維の目標量の変更
食物繊維は摂取不足が生活習慣病の発症に関連するという報告が多いことから、目標量が設定されています。
最新の研究で「少なくとも1日あたり25g~29gの食物繊維の摂取が、様々な生活習慣病のリスク低下に寄与する」ことが明らかになりました。
そのため、生活習慣病予防の観点から理想的な摂取量が従来より1g多い「1日25g」になり、この値と日本人の摂取量との中間値を参考として目標量が設定されました。
各年代の目標量(※)は以下の通りです。
[3]鉄の耐容上限量の削除
耐容上限量とは、健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限のことです。
従来は、摂り過ぎによる健康障害を防ぐため、成人男性で50mg/日、成人女性では40mg/日の耐容上限量が設定されていました。
しかし、近年の研究により
「食事からの鉄摂取量が多くても調節機能が働く」
「遺伝的要因が関与する場合を除き、過剰障害のリスクは無視できる」
「個々の健康状態に応じて必要量が異なる」などが明らかになったため、削除されることになりました。
耐容上限量とは、健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限のことです。
従来は、摂り過ぎによる健康障害を防ぐため、成人男性で50mg/日、成人女性では40mg/日の耐容上限量が設定されていました。
しかし、近年の研究により
「食事からの鉄摂取量が多くても調節機能が働く」
「遺伝的要因が関与する場合を除き、過剰障害のリスクは無視できる」
「個々の健康状態に応じて必要量が異なる」などが明らかになったため、削除されることになりました。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
管理栄養士の国家試験では、食事摂取基準に関する問題が多く出題されます。
大学生の頃、途中から新しいものに改定されて覚えるのが大変だったことを思い出しました。
これまでは5年に一度の改定でしたが、
「社会背景の変化や科学的知見の集積状況等によっては、適切な改定時機が異なる場合も想定される」
と今回の報告書の中で書かれており、今後は必ずしも5年に一度とはならないかもしれません。
食事のアドバイスや献立作成などにも欠かせない、食事摂取基準。
これからも活用していきたいと思います!
大学生の頃、途中から新しいものに改定されて覚えるのが大変だったことを思い出しました。
これまでは5年に一度の改定でしたが、
「社会背景の変化や科学的知見の集積状況等によっては、適切な改定時機が異なる場合も想定される」
と今回の報告書の中で書かれており、今後は必ずしも5年に一度とはならないかもしれません。
食事のアドバイスや献立作成などにも欠かせない、食事摂取基準。
これからも活用していきたいと思います!
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