健康コラム

no.202
テーマ:「おばんざい」
2023年12月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

皆さん「京料理」といえば、何を思い浮かべますか?

京懐石、はも料理、湯豆腐…美味しい料理がたくさんありますが、「おばんざい」を思い浮かべた方も多いのではないでしょうか?

野菜がふんだんに使用された料理を、少しずつ食べられるのが嬉しいですよね。

おばんざいをメインとしたおしゃれな飲食店も、最近とても増えているように感じます。

そんなおばんざいの豆知識と、今の時季にぴったりのレシピを紹介します♪
【1】おばんざいの「ばん」って?
「ばん」とは「番」のことであり、「番茶」「番傘」のようなある語に対して“常用”を表す語です。

おばんざいを漢字で書くと「お番菜」になるので、“日常のおそうざい”という意味になりますね。

元々は京都の上層階級の人々が食べていた料理が、江戸時代中頃に一般庶民に広まり、今日のおばんざいになったといわれています。

京都以外の関西地方では、おばんざいのほかに「おぞよ」「おまわり」とも呼ばれていたそうです。

「おぞよ」は漢字で「御雑用」と表し、豆やひじきなど、おかずが仕込めない日を見込んで用意し、その日をしのげるような料理のことを指します。

今で言う“作り置き”ですね。

「おまわり」は、主食のごはんの「まわり」におかずを並べて食べることに由来しています。
【2】おばんざいのしきたり
戦前には「何日には何を食べる」というしきたりが存在していました。

例えば…

1日=しこんぶ、小豆のごはん、なます

8のつく日=あらめとあげの炊いたもの

15日=小豆のごはん、いもぼう(※)のおかず

月末=おから

その日によって食べたいものの気分も変わるのに…わずらわしい…と思うかもしれませんが、見方を変えれば毎日の献立を考える手間が省けて、よけいな気を遣わずに済むともいえます。

古めかしく思えることも、実は合理的な一面もあるのですね。

(※)海老芋と棒鱈を一緒に炊き合わせたもの
【3】簡単おばんざいレシピ
繊細で手が混んでいるように見えますが、実は身近な食材でさっと作れるものばかりです。

季節ごとに旬のおばんざいがありますが、今回は冬におすすめのレシピを紹介します!

【焼きもちの生姜あんかけ】

材料(2人分)
・もち…2個
・しょうが…20g
・サラダ油…大さじ1
・だし汁…1.5カップ
・しょうゆ…大さじ1.5
・塩…少々
・水溶き片栗粉…大さじ2(片栗粉と水 各大さじ1)

作り方
1)フライパンに油をひき、もちの中がやわらかくなるまで焼く。
2)しょうがの皮をむき、大さじ1杯分ほどをすりおろし、残りは細い千切りにする。
3)鍋にだし汁、しょうゆ、塩を入れて混ぜ、そこにしょうがを入れて火にかける。
  ひと煮立ちしたら水溶き片栗粉を入れてとろみをつける。
だし汁は『都の本格だし』を使用しました♪

4)器に焼いたもちを入れ、3をかけて出来上がり。
お好みでねぎや七味を散らしても◎

お正月に余りがちなおもちが、一気にごちそうになるレシピです。

体もぽかぽか温まる1品なので、ぜひお試しください♪
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
京野菜は自然栽培で育てられているものが多く、ビタミン・ミネラルが豊富。

様々な野菜が育てられていますが、特に大根や蕪などの根菜類が多いことが特徴です。

そのため、おばんざいには栄養バランスに優れたメニューがとても多いんです。

調理方法に「炊いたん」が多いのも、野菜の栄養素をくまなく摂取できるポイントですね。

基本をマスターして、自分なりのおばんざいを定着させていきたいなと思います!

おばんざいレシピで使用した「都の本格だし」は、こちらのオンラインストアからご購入いただけます。
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