健康コラム

no.201
テーマ:「大根」
2023年11月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

11月になり、温かい汁物が美味しいこの頃です。

これから冬にかけて美味しくなるのが根菜類!

根菜類をテーマにしたコラムは以前にもお届けしましたが、今回は「大根」についてさらに掘り下げます。

根菜類についてはこちらもご参考ください。
【1】大根っていつが旬?
大根は年中スーパーで売られていますよね。

これは季節によって産地や品種を変えて生産することで、通年販売出来るようにしているからなんです。

収穫時期によって「春大根」「夏大根」「秋大根」「冬大根」と呼ばれています。

春や夏は辛味が強く、みずみずしいのが特徴で、秋冬は甘味が増して煮物にぴったり…。

このように季節によってそれぞれの味わいが楽しめます。

代表的な品種である「青首大根」は秋から冬にかけてが旬のため、一般的には秋冬が大根の旬とされています。

その他にも東京の練馬生まれの「練馬大根」、神奈川の三浦で作られた「三浦大根」、京都で生まれた丸形の「聖護院大根」など地域によって様々な種類があります。

ちなみに大根は地中海沿岸、中東周辺が発祥の地とされており、昔は今よりももっと小さくて辛く、色も白ではなく黒や赤だったといわれています。

黒い大根は日本ではあまり見かけませんが、ヨーロッパではおなじみの食材だそうですよ。
【2】大根の栄養
大根は根と葉の部分で含まれている成分が違います。

そのため、「根菜」のコラムでもご紹介した通り、大根やかぶは基本的に“淡色野菜”ですが、葉の部分は“緑黄色野菜”に分類されます。

【根の部分】
主な成分はビタミンC、消化酵素、イソチオシアネートです。

消化酵素は、でんぷんを分解する「アミラーゼ」、たんぱく質を分解する「プロテアーゼ」、脂質を分解する「リパーゼ」など多くの酵素を含みます。

特にアミラーゼには消化を促進する作用があり、一緒に食べると胃腸の消化を助けてくれます。

イソチオシアネートは大根の辛み成分で、血栓予防や消化促進、殺菌作用などの働きがあることが知られています。

根に近づくほどイソチオシアネートの量が多く、辛味が強くなります。

このように大根は消化によく、殺菌作用もあり「めったに当たらない」ことから「大根役者(=下手な役者のたとえ)」という言葉が生まれたそうです(※)。

※語源には諸説あり

【葉の部分】
βカロテン、ビタミンC、ビタミンK、カルシウム、カリウム、葉酸、食物繊維などが豊富で、特にβカロテンは葉の部分だけに含まれています。

大根を購入する時は、出来れば葉つきのものを選んで、どちらの栄養も摂りたいですね。

なお、葉つきの大根を購入した際は、葉の部分を切り落としてから保存しましょう。

大根は収穫した後も成長するので、そのままにしておくと葉が栄養を吸ってしまい、根がしなしなになってしまうんです。

葉の部分をすぐに使わない場合は一度茹でてから冷凍するのがおすすめです。
【3】大根葉のふりかけ
栄養たっぷりの大根葉、みなさんはどんな料理に使われますか?

私は大根葉といえば、よく祖母がふりかけを作ってくれていたのを思い出します。

今回はそのふりかけを自分なりに再現してみました。
【材料】
・大根葉(1本分)
・ちりめんじゃこ ひとつかみ
・醤油 大さじ2
・みりん 大さじ2
・ごま油 適量
・炒りごま 適量 
・七味 お好みで

(1)洗った大根葉を細かく刻み、ごま油を入れたフライパンで炒める

(2)しんなりしてきたら、ちりめんじゃこ・醤油・みりんを加えてさらに炒める
(3)水っぽさが無くなってきたら、炒りごま・七味を加えて完成
※調味料は葉の量に応じて調整してください
※葉のえぐみが気になる時は炒める前に下茹でしても

ごま油を使うと大根葉の苦味が和らぐ他、緑黄色野菜に含まれるビタミンは油と一緒に摂ることで栄養吸収がアップするので一石二鳥!

常備菜としても役立つので一度お試しください。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
天候不順で大根が高い…。
皮をむいたり切るのが面倒…そんな時ってありますよね。

おすすめなのが「切干し大根」です。

切干し大根は天日干しによってうま味や甘味が凝縮され、栄養価も高い食材なんです。

一度戻して使う方法もありますが、戻し汁に栄養が溶けてしまうので、私はサッと洗ってそのまま使っています。

切る時もキッチンバサミを使えば包丁やまな板いらずでとっても楽です。

以前は切干し大根といえば、煮物にしか使ったことがなかったのですが、給食の献立表にお味噌汁の具として使われているのを見て「これいいな~」と思い、今はもっぱらお味噌汁を作る時に活用しています。

切干し大根からうま味が出るので、とても美味しいですよ!
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