健康コラム

no.200
テーマ:「いちじく」
2023年10月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

晩夏から初秋にかけて出回る、季節感たっぷりの果物の「いちじく」。

やさしい甘さを活かして、普段の料理にも活用しやすい果物です。

いちじくは栄養価が非常に高く、“不老長寿の果物”とも呼ばれていることはご存じでしたか?

ドライフルーツだと年中いただけますが、生のものが多く出回っているのはまさに今の時期。

旬の美味しい時期に、たくさん食べておきたいフルーツのひとつですね♪
【1】いちじくの逸話
『いちじく』という名前は、中国での名前「映日果(えいじつか)」がなまったという説と、1日1個ずつ熟す または 1ヶ月で熟すことから「一熟」と名がついたという説があります。

食用の部分は果実ではなく花にあたる部分で、花軸が肥大化したものです。
漢字で書くと「無花果」と表記されるのは、このことが由来となっています。

また、国内で流通しているいちじくの約8割は「桝井ドーフィン」という品種で、ドーフィンを日本に持ち帰った桝井光次郎の名にちなんで名づけられたそうです。

いちじくはお手入れの手間がかかりにくく、鉢植えも可能なので、ベランダでの栽培も可能なんです!

輸送時に損傷しやすい果物なので、自宅で栽培するのも良いですね。
【2】含まれている栄養素
いちじくにはビタミンEやカリウム、カルシウム、特に食物繊維の一種である「ペクチン」が多く含まれているのが特徴です。

ペクチンの主な働きは以下の通りです。

●腸の活動を促して便秘の予防に働く
●悪玉コレステロールや血糖値の上昇を抑える

また、いちじくの上品な甘みは、果糖とクエン酸によるものです。

クエン酸には疲れの原因となる乳酸を蓄積させない作用があり、疲労回復を助け、肌トラブルも防いでくれます。

さらに、いちじくの香り成分である「ベンズアルデヒド」や、色素成分の「アントシアニン」には、がんを抑制する働きがあるのではないかともいわれています。
【3】おすすめの調理法
冒頭でもお伝えした通り、いちじくは料理にも活用しやすい果物です。

肉料理と味の相性が良いだけでなく、果肉にはたんぱく質の消化を促す分解酵素も含まれているので、その点でも相乗効果が期待できます。

加熱すると酵素の働きは失われるので、生野菜と和えて肉料理の付け合わせとして添えると、見た目も華やかで良いですね!

皮の赤味が濃く、よい香りが立っていることが完熟の条件ですが、完熟が進んでいないものは砂糖とレモン果汁を加えて煮詰め、ジャムにすると美味しくいただけます!

【2】の通りいちじくはペクチンの含有量が多いので、ゲル状になりやすくジャムに適した果物です。
いちじく(400g)を砂糖(150g)・レモン汁(小さじ2)・水(70ml)で煮詰めて作ってみました~!

焦げ付かないようにだけ注意すれば簡単に出来上がるので、ぜひ試してみてください♪
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
最近、小腹が空いたときにドライいちじくを食べるのにハマっています。

1粒が大きくて、食感がねっとりしていて満腹感があるので、ついついお菓子を食べすぎてしまう方にとてもおすすめです!

おやつとしての満足感もあり、食物繊維も摂れて、一石二鳥で気に入っています。

ドライいちじくだと年中食べられるのでありがたいですが、やっぱり生のものはジューシーで美味しいですね~

旬のうちに、ジャム以外のお菓子作りにもチャレンジしてみようと思います!
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