健康コラム

no.182
テーマ:「オートミール」
2022年4月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

みなさん「オートミール」を食べたことはありますか?

海外では定番の食材として親しまれていますが、日本の食生活には馴染みがありませんでしたよね。

しかし最近は「米化」「餅化」などの工夫で、日本人の口にも合うレシピが話題となっているんです!

お米・お餅大好き人間としては「米化」「餅化」と聞いて試さずにはいられませんでしたので、その記録をご覧ください(笑)
【1】オートミールって?
オートミールとは、燕麦(えんばく)を脱穀して調理しやすく加工した食品のことをいいます。
燕麦は「オート麦」「オーツ麦」「カラス麦」とも呼ばれます。

オートミールは精白した麦とは違い「全粒穀物」のため、食物繊維やミネラルが豊富で、とくに食物繊維は白米の約18倍・玄米の約3倍含まれています!

オートミールに含まれている栄養素には、

●食物繊維が善玉菌のエサになる⇒腸内環境の改善
●水溶性食物繊維のβ-グルカンが糖の吸収をおだやかにしてくれる⇒血糖値の急上昇を抑える
●ビタミンやマグネシウム・鉄分などのミネラルが豊富(カルシウムは玄米の約5倍)

など、体に嬉しい働きがたくさんあります。

また、白米や玄米と比べて糖質が少なく、GI値(※)が低いので太りにくいとされています。

※グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後血糖値の上昇を示す値。

雑穀に関しては、こちらもぜひご覧ください。
【2】オートミール週間スタート
嬉しい効果がたくさんある食材ですが、肝心の味はどうなんでしょう…?

ということで、毎日飽きずに食べられるか、1週間夕飯をオートミールに置き換えてみました!

初日はオートミール30gに豆乳100ml(牛乳やヨーグルトでも可)をかけて一晩置いた「オーバーナイトオーツ」という食べ方で。

どろどろしたものを想像していましたが、意外ともっちりしていることに驚きました!
味は脱穀していないので“麦感”が強く、あまり好きではありませんでした(笑)
「どうか美味しくなってくれ…!」と願いながら米化に挑戦。

【米化の方法】
1食あたり:オートミール30g、水40~50ml
オートミールに水を回しかけて、600Wの電子レンジで約50秒加熱し、ほぐして出来上がり。
これを、お米の代わりとして使用しました。

おかゆやリゾットの場合は、水などの液体量を120ml~200ml程度に増やして煮込むだけです!

【試したメニュー】
●卵かけご飯風
●納豆がゆ
●キムチチャーハン
●トマトリゾット
●カレーリゾット
↑トマトリゾット

塩分量に注意ですが…濃いめの味付けにするとかなり食べやすくなりました。
見た目は少なく感じますが、お腹の中でどんどん膨らんでいくので、かなり満足感があります。

試したメニューの中で一番手軽だったのが「卵かけご飯風オートミール」。

1)米化したオートミールの上に卵を割り入れる
2)しょうゆやごま油などのお好みの調味料も入れて混ぜ、30秒レンジで加熱してほぐす
3)お好きな薬味をのせて完成

卵としょうゆだけだとかなり麦の味が残りますが、薬味をプラスすると美味しく食べられました。

卵好きの方にはぜひお試しいただきたいレシピです♪
【3】「餅化」おやつ作ってみた
おやつには、豆腐+きなこの栄養素も一緒に摂取できる「オートミールきなこ餅」を作ってみました!

【材料・手順】一口大5個分
・オートミール…30g
・絹ごし豆腐…80g
・水…大さじ2
・片栗粉…小さじ1
・塩…少々
△きなこ…大さじ2
△砂糖…大さじ2

1)△以外の材料を混ぜ、ラップをせず600Wで2分加熱する
2)よく混ぜてから、手に水を付けて丸める
3)△を混ぜたものを2にまぶして完成
豆腐+片栗粉のおかげでしっかり餅感がありました!
オートミールのぷちぷちが少し残るので、食べ応えも◎

甘いお餅はあんまり…という方には、焼いてしょうゆで味付けした【磯部焼き風】もおすすめですよ!

オートミールはアレンジ次第で美味しくいただけることが分かりましたが、お腹を下す可能性があるので食べ過ぎには注意が必要です。
1食30~50gを目安に召し上がってくださいね。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
無理しないと続けられないだろうな~と思っていましたが、腹持ちがとても良くストレスなく続けられました!

食物繊維の1日の摂取量は成人男性では21g以上、女性では18g以上が望ましいとされています。

意識していても不足しがちな栄養素なので、手軽に摂取しやすいオートミールは個人的にとてもおすすめです。
(オートミール30gあたりの食物繊維量:約2.8g)

最近はノーマルの麦の味もそこまで気にならなくなってきていて…慣れってすごいですね(笑)

食物繊維は5大栄養素に次ぐ“第6の栄養素”といわれるくらい体内で重要な働きをしてくれる栄養素なので、引き続きオートミールを活用していこうと思います。
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