健康コラム

no.176
テーマ:「食品ロス」
2021年10月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

デリバリーサービスも普及し、ますます食べ物が手に入りやすく、便利な世の中になっていますよね!

しかし、供給が増えた反面「食品ロス」が問題視されていることをご存じでしょうか?

10月は“食品ロス削減月間”、10月30日は“食品ロス削減の日”に定められています。

この機会に、食べ物との向き合い方を見直してみませんか?
【1】食品ロスって?
「食品ロス」とは、本来食べられるにもかかわらず、捨てられている食品(例:売れ残り、食べ残し、調理する際に過剰に捨てられた可食部分)のことです。

日本の食品廃棄物量は年間約2531万トンで、その中で「食品ロス」の量は年間約600万トン。(※)
日本人1人当たりで換算すると、1年で約47kg…これは毎日お茶碗1杯分のごはんを捨てているのと同じ計算になります。(もったいない…。)

また、食品ロスが増えることで、
・ごみ処理に多額のコストがかかる
・可燃ごみとして燃やすことで、二酸化炭素の排出や焼却後の灰の埋め立て等による環境負荷に繋がる
などの環境への悪影響も懸念されています。

※平成30年度推計(農林水産省・環境省)
【2】ロス削減のためにできることは?
●すぐ使う食品は「てまえどり」で!
→陳列順に、賞味期限の早いものから購入する「てまえどり」を意識しましょう。
 ついつい1日でも長いものを選んでしまいがちですが…全員がそれをすると、食べることができたはずだった食品がどんどん取り残されてしまいます。

●外食時は食べきれる量を注文し、残さないよう意識する
→中には残したものを持ち帰ることができるお店もあるようなので、確認してみるのも良いかもしれません。

●冷凍などの痛みにくい保存方法を活用する
→食品ロスの中で、特に多いのが賞味期限切れの野菜です。
 冷凍することで痛みにくくなりますので、保存の際は冷凍がおすすめです。

●フードドライブ(※)への寄付
→全国的に様々な場所で行われておりますので、ぜひ検索してみてください!

【適切に保存する】→【上手に使い切る】→【食べきれる量を作る】
この3点を意識することが、ご家庭での食品ロス削減のコツです。

※余っている食材を持ち寄り、福祉団体や施設等へ寄付するボランティア活動。
【3】食材を無駄にせず、美味しく使い切る方法
きのこの軸やブロッコリーの茎などは「硬そう…」「何となく食べない方がよさそう…」と捨ててしまいがちではないでしょうか?

実は、このような野菜の捨てられがちな部分も、美味しくいただくことができるんです!

【ブロッコリーの茎】
茎の根本の硬い部分さえ取り除けば残りは美味しく使い切れます。
薄切りにして炒め物にしたり、スティック状にして肉巻きの具にするのもおすすめです。

【大根の葉】
大根の葉はほうれんそうや小松菜と同じく緑黄色野菜に分類され、栄養価もとても高い部分です。
刻んで炒め、しょうゆなどで味付けしてごはんと混ぜた菜飯や、ざく切りにしてスープに使うのも良いでしょう。

【きのこ】
きのこの軸の部分は石づき(※)と勘違いされやすく、一緒に捨てられることが多いですが、軸は歯ごたえがあり旨味がたっぷり詰まっているので、ぜひ食べていただきたい部分です!
ちなみに、まいたけやエリンギは出荷時に石づきがカットされており、どの部分も全て食べられます。

※原木や菌床と接触しており、土やおがくずが付いている部分。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
私自身も、食品を買いすぎて捨ててしまったり、「てまえどり」できていない時もあったなと反省…。

1年に約600万トンもの食べられたはずの食材が捨てられているなんて、本当にもったいないですし悲しいですよね。

無駄を削減していくことは毎日の家計のためにもなるので、環境のためにも自分のためにも、ロスを減らしていけるよう工夫していこうと思います!!
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