健康コラム

no.175
テーマ:「黒子」
2021年9月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

今回のテーマ「黒子」。
なんのことかわかりましたか?

この漢字で「ほくろ」と読みます。

ほくろって出来る場所によって、受ける印象が変わりませんか?

例えば…
★泣きぼくろがあると美人・かわいい
★手のひらや足の裏に出来たほくろは危険だと聞いたしこわい
★泣きぼくろ以外の顔のほくろは邪魔だし取りたい

などほくろにまつわる話を挙げればきりがありません。

出来る場所で一喜一憂する「ほくろ」ですが、ほくろって何?と聞かれると説明できない方が大半ではないでしょうか?

今回は、基本的な部分やほくろが危険と言われる理由、ほくろにまつわる話についてお届けします♪
【1】ほくろって何?
ほくろは、皮膚の細胞をつくる過程で出来た「母斑細胞(ぼはんさいぼう)」と言われる細胞の集まりで、正確には「色素細胞母斑(しきそさいぼうぼはん)」と言います。

どのようにして、ほくろが出来るかというと…

本来、色素幹細胞は胎児期に細胞分裂を経て、色素細胞となります。
しかし、中には細胞分裂の際に移動に失敗してしまうなどの理由で正常でない色素細胞ができてしまうことがあります。

実はその出来損ないの細胞が“ほくろ”なのです。

体内には色素幹細胞になる前の状態で取り残されているものもあるため、そのようなものが母斑となり、ほくろになることもあるようです。
(そのため、生まれた時にはなかった部分にほくろが現れることも…。)

ほくろがどのようなものか学んだので、【2】【3】では、“嬉しいほくろ”“嬉しくないほくろ”について見ていきましょう。
【2】手のひら・足の裏のほくろは、ほんとに危険?
「手のひらや足の裏のほくろはがんになるから危ない」とよく聞きますよね。

理由は?と聞かれると…
はっきりと答えられない方が多いのではないでしょうか。

実は…
一見ほくろと見分けのつかない【メラノーマ】というがんが比較的手のひらや足の裏にできやすいので危ないと言われるのです。
ほくろはあっても大丈夫です。

皮膚科医でも一目見ただけではわかりにくい場合もあるそうなので、私たちにはわかるわけがないと思うのですが、特徴として以下のことが挙げられます。

~メラノーマの特徴~

●大きさ 6mm以上である
鉛筆の削っていない方で隠しきれない大きさであれば注意

●左右非対称である

●黒い部分の周りの色がぼんやりとしていて、境界線がわかりづらい

上記は一般的な特徴ですが、該当するものがあり、ご心配な方は、医師にご確認いただきますようお願いいたします。

手のひらや足の裏のほくろが即危険というわけではありませんが、あると観察が必要になりますので、このほくろは出来てほしくない=嬉しくないほくろという扱いになっていると思います。
【3】泣きぼくろがあるとどうして美人と言われるの?
世間一般でよく言われているので、聞かれたことがある方もいらっしゃると思います。

主観的なところなので、何か指標があるのか?根拠があるのか?と思い、調べてみました。

そもそも泣きぼくろ(涙ぼくろ)をご存じですか?
このほくろは、目の下にあるほくろのことを言います。

人相学の一説として…

泣きぼくろ(涙ぼくろ)がある
→泣き虫に見える
→泣き虫ということは感受性が豊か
→表情がころころ変わる
→かわいい

と考えられるようです。

【泣きぼくろがある人の方がかわいいと思う傾向がある】という結果が出たという論文を読みましたが、読み進めていくと、実はその結果は、「泣きぼくろがある人の方がかわいいと言われているという情報を知っていた」ということも影響していたようです。

世間一般が、そのような人をかわいいと判断するという情報をゼロには出来ないので、なかなか検証はむずかしいのかもしれません。

ただ、今は、かわいく見られたいということで、目の下に化粧でほくろを書く方もいるので、泣きぼくろはある方がよい=嬉しいほくろという扱いになっているということは確かだと思います。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
今回、私がほくろについて取り上げたのは…
「私の手のひらに新たなほくろが出来たから!笑」

別のことで皮膚科に行き、ついでにこのほくろのことを聞いた時に、「手足のほくろは危険という偏った情報だけが伝わって、聞かれる方多いんですよ…」と先生がおっしゃっていました。
そのようなところから、今回正しい情報を伝えようと思い、テーマにしました。

ちなみに、私の手のひらのほくろは、ただのほくろでした。
(実は、生まれつき反対の手のひらにもほくろがあります。)

ほくろが手のひらに出来るのはめずらしいので、ほくろ占いなどでは、手のひらにあると幸せになると書かれているものも!

幸せが2倍になったと嬉しく思いながらも、日々の観察は怠らないようにしようと思います。

ほくろで一番一喜一憂しているのは、私かもしれませんね!笑
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