健康コラム

no.170
テーマ:「ぬか漬け」
2021年4月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

漬物の中でも、特に独特な風味を持つ「ぬか漬け」。

においがちょっと苦手…という方も多いかと思いますが、皆さんはいかがですか?

最近では、様々なメーカーで簡単にぬか漬けができるセットが販売されていたり、再び注目されている食品なんです!

便通改善・美肌・動脈硬化の予防など、体に良いことずくめの食品ですので、ぜひ毎日のお食事に取り入れていただきたいです。
【1】「ぬか」って何?
「ぬか」とは「米糠(こめぬか)」のことで、玄米を精米して白米にする際に削ってしまう、一番栄養が豊富な外皮部分のことをいいます。

ぬかに塩や水などを加えて練ったものを「ぬかみそ」といい、それを壺などの容器に詰めることで「床」ができ、野菜などを保管しておく「ぬか床」と呼ばれるものが出来上がります。

野菜には元々、乳酸菌や酵母菌などの微生物がたくさん付いています。

ぬかはその微生物たちのエサの宝庫なので、漬けておくことで繁殖を繰り返します。

その繁殖の中で、体によい影響を与える成分がたくさん生まれるので、ぬか漬けにすることで野菜そのものの栄養価も高められるんです!

この、微生物たちによって行われる一連の働きが「発酵」です。

漬けておくだけで野菜には含まれていない栄養素がプラスされると思うと、なんだかお得に感じませんか?♪
【2】ぬかが持つ栄養素
ぬか漬けの代表的な栄養素といえば乳酸菌ですが、その他にもビタミンB群などの体に嬉しい栄養素がたっぷり含まれています。

その栄養素の働きについて、以下で説明していきます!

◎植物性乳酸菌

乳酸菌は、皆さんもご存じの通り、腸内環境を整える働きがあります。

また、カルシウムや鉄、ビタミンなどの吸収を促したり、ビタミンB群の生成や免疫機能の活性にも関わります。

(健康コラム167号の「腸活」にも関わる内容ですので、ぜひ下部リンクもご覧ください。)

◎ビタミンB群

ビタミンB1には、皮膚の粘膜の健康維持や、糖質からのエネルギー産生を助ける働きがあります。

また、ビタミンB2は糖質や脂質、たんぱく質をエネルギーに変えるための代謝を支える働きがあります。

このように、体の調子を整えるために重要な役割を担うのが、ビタミンB群です。

◎ビタミンE

強い抗酸化作用を持つ栄養素で、老化の原因となる活性酸素から体を守ってくれる働きがあります。

さらに、血管を健康に保ち、赤血球の破壊を抑制する作用もある栄養素です。
【3】ぬか漬けを食べる時、作る時の注意点
●食べ過ぎに注意しましょう

食塩摂取量の1日あたりの目標量は、成人男性で7.5g未満、女性で6.5g未満です。

ぬか漬けには、
きゅうり:約1.5g、かぶ:約0.55g、なす:約0.5g(5切あたり)
の塩分が含まれています。

他のおかずにも塩分が含まれていることを考えると、食べ過ぎるとあっという間に目標量を超えてしまいます。

ご飯に少し添えるくらいの量を、毎日続けることがおすすめです!

●野菜によっては下処理をしてから漬けましょう

多くの野菜は切ってそのまま漬けることが出来ますが、下処理が必要なものもあります。

〇アクやえぐみのある野菜:大根菜、なす、ごぼう、ゴーヤなど
→塩もみしてから漬ける

〇根菜などの硬い野菜:ごぼう(太め)、アスパラガス、かぼちゃなど
→茹でて粗熱を取ってから漬ける

硬すぎず、適度に水分を含むきゅうりや大根などが漬かりやすいので、まずはこれらの野菜から始めてみるのも良いかもしれません。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
今までぬか漬けをあまり食べたことが無かったのですが、周りで漬けている人がたくさんいたので、真似して始めてみました。

初心者なので、漬けすぎてしまったり、反対に浅すぎたり…失敗しながら試行錯誤する日々です。笑

素手で混ぜるので、心なしか手もスベスベになっているような…?

漬けすぎてしまったもの(古漬け)は、刻んでゆで卵とマヨネーズで和えてタルタルソース風にして食べるのも美味しかったので、古漬けの処理に困っている方はぜひお試しください!
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