健康コラム

no.166
テーマ:「卵の性質」
2020年12月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。
【1】身近でもあるが苦手でもある
皆さんは料理をする際、何を参考にされるでしょうか?

料理本やインターネットでの検索の他、料理上級者の方ならレシピが頭の中にあるという方もいらっしゃるのでは?

最近増えているインターネットでの料理レシピ検索。
おもしろい検索例があります。
『失敗しない』というキーワードとともに検索される料理名は『シュークリーム』『マカロン』『スポンジケーキ』など卵を使用したお菓子が多いのです。

また、『オムライス』や『カルボナーラ』などの卵料理も多い傾向にあります。

卵は身近な食材ですが、皆さん卵料理は苦手な様子。
しかし、調理の際に『卵の性質』を理解することで失敗が激減するのです。
【2】シュークリームに使える『卵の性質』
失敗しやすいお菓子『シュークリーム』。
おいしく仕上げるための『卵の性質』をご紹介します。

まず1つ目は、おいしいシュークリームの要素である『カスタードクリーム』。
『卵の性質』の1つである『熱凝固性』がそのおいしさを左右します。
具体的には、卵の卵黄は65℃・卵白は58℃で凝固しはじめますが、ひとたび凝固すると元に戻すことはできません。

特に、凝固しはじめるとスピードが速い卵黄を使用する『カスタードクリーム』は、ダマにならないように温度管理が大切といわれています。
そのためには、『弱火』・『かき混ぜ続ける』がポイントとなります。
これらを意識すると、なめらかな『カスタードクリーム』に仕上がります。

また、この『熱凝固性』を理解した温度管理は、『カルボナーラ』にも応用できます。

さらに、『シュークリーム』をおいしく仕上げる『卵の性質』2つ目。

今度は、『シュー生地』についてです。
『卵の性質』の1つである『乳化性』が『シュー生地』のふくらみに関わります。

『乳化』とは、本来混ざり合わない水とバターなどの油脂類が『乳化性』をもつ材料である卵黄などを加えることで均一に混ざり合うことをいいます。

上手に『乳化』させるためには、材料を『少しずつ混ぜ合わせる』ことがポイントです。
また、しっかり混ぜ合わせることで、卵に含まれる水分が細かい状態になり生地がより安定します。

そして、『シュー生地』においても卵の温度管理が大切です。
卵が冷たいと生地の温度が下がり固くなるため、ふくらみが悪くなるからです。
卵は使用する前に常温に戻しましょう。
これらが、おいしい『シュー生地』に繋がります。
【3】ケーキに使える『卵の性質』
『スポンジケーキ』『マカロン』『シフォンケーキ』などの食感の要である『メレンゲ』。

これは、卵白の『起泡性』という性質によるものです。
卵白中のたんぱく質は空気を抱き込むことができるため泡立ちやすく、この性質はよくお菓子に利用されます。

さらに、レシピでよく『メレンゲ』と一緒に加える砂糖。
砂糖は気泡の安定性に関わり、『メレンゲ』を壊れにくくしてキメ細かい泡立ちを保ちます。

しかし、卵白中のタンパク質の固まる力を抑えるため、泡立ちは悪くなります。
砂糖を加える前にある程度泡立ててから、砂糖を3回ほどに分けて加えながら泡立てることで上手に仕上がります。

また、油脂には『消泡性』があるので、卵白の泡立ちを妨げます。
油脂が多い卵黄が混ざっていないことや泡立てる際の道具に油脂類がついていないことを確認するのも大切です。

ぜひ、お菓子作りなどに活用してください。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
さて、私が最近よくするのは『味玉』です。
麺類のトッピングやお酒のおつまみにもおすすめです。

この『味玉』も先ほどご紹介した卵の『熱凝固性』を理解して温度や茹で時間を管理することが大切です。
では、『味玉』の作り方をご紹介します。

【味玉の作り方】
[材料]
卵(MSサイズ)8個
★味付け調味料
水 40cc
醤油 40cc
みりん 大さじ1
砂糖 小さじ2

[作り方]
1)卵を常温に戻す
2)鍋に卵がかぶるくらいの水を入れ、沸騰したら卵を入れて6分30秒茹でる(Lサイズの卵であれば7分)
3)卵を冷水にさらし、殻をむく
4)味付け調味料を鍋にあわせて沸騰させ粗熱をとる
5)食品用ポリ袋に3)と4)を入れ、空気を抜くように封をして冷蔵庫で味をしみこませる(半日~1日)
[ポイント]
1)卵は冷蔵庫から出してすぐに茹でると温度差で殻にひびが入ってしまうので、室温に戻して茹でましょう。
2)茹でたては殻の中身が膨張しているので、冷水に入れることで締まり、殻との間に隙間ができてむきやすくなります。

ぜひ、チャレンジしてみてください。

また、今回ご紹介した『卵の性質』を上手にご活用いただき、おいしい卵料理をつくってくださいね。