健康コラム

no.164
テーマ:「良薬にも毒にもなる食品」
2020年10月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。
【1】量によって良薬にも毒にもなる
「これさえ食べていたら大丈夫!という食品は何ですか?」

この質問に対する答えは、「これさえ食べていたら大丈夫!という食品は無い。」です。

これはどうしてかと言うと、一般的に体に良いと言われている食べ物でも、偏った食べ方をしていると体には毒になるからです。

例えば納豆。
納豆は体に良い食べ物といわれています。

確かにその通りで、納豆に含まれる良質な植物性タンパク質は私たちの体をつくり、ビタミンは酵素を活性化させることで新陳代謝を促すなど、体にとって嬉しい働きが多いと言われています。

では、どれだけ食べても良いのでしょうか。

実はそうではないのです。
納豆のエネルギーは意外と高く、1パック(約50g)あたり約100kcalあります。
極端に食べ過ぎると太る原因となります。
また、痛風の危険性を高めるプリン体は1パック(約50g)あたり約57mg含まれています。
プリン体は1日400mgを超えないようにするのが理想的ですので、他の食品との組み合わせによっては食べる量に注意が必要です。

このように、良薬のような食べ物が毒になるのです。

因みに体のことを考えて納豆を食べるなら1日1~2パック程度が適量と言われています。

体に良いと言われていても量によっては毒にもなることを心得て、適量を食べるように心がけることが大切だと言えます。
【2】こんがり焦げ目は怖い
『おこげ』という言葉もあるように、料理や食品の焦げ目には人を強力に惹きつける魅力があります。

焦げは、生の時にはなかった香ばしい複雑な香りと風味が生まれ、おいしさを格上げしてくれます。

しかし、この『焦げ』も体にとって有益な影響をもたらすだけではないのです。

行き過ぎた『焦げ』は、体に悪い影響をもたらします。

炭水化物を多く含む食品を120℃以上の高温で加熱することで『アクリルアミド』が生成されます。
これを長期的に摂取すると遺伝毒性発がん物質になり得るという報告があります。

例えば、ポテトチップです。
原材料のじゃがいもは抗酸化作用のあるビタミンCをりんごの5倍含むと言われています。

そんなじゃがいもですが、焦がすと害になるという側面も持ち合わせているのです。

料理を魅力的に引き立てる『焦げ』。
しかしながら、行き過ぎには注意が必要ですね。
【3】外食に潜む危険食品
「安くて、おいしい」
外食やテイクアウトをする際のお店選びの魅力的なキーワードです。

しかし、安くておいしいには危ないからくりも潜んでいるのです。

例えば、安価なステーキ定食。

これはインジェクションといって、肉に剣山のような100本以上の注射針を刺し、牛脂を注入したものを使用していることが多いのです。
硬くてそのままでは食べられない安価な外国産肉などを原料にし、人工的に『霜降り風肉』をつくりだすことができてしまいます。

そして、『霜降り風肉』には怖い点がもう一つあります。
それは食中毒です。
牛肉表面に必ず存在する大腸菌は、内部には存在しません。
インジェクションを施すことで、表面に付いた菌が肉の内部に入り込んでしまいます。
それをレアやミディアムで焼くと菌が死滅せず、食中毒になる可能性が高まるのです。

「安くて、おいしい」のキャッチフレーズの裏にある本質を見極め、食品を選ぶことが大切ですね。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
私は、辛いものが好きで、一味や七味をよく使用します。

友人にもらった某老舗七味唐辛子メーカーの七味唐辛子をふりかけ代わりに、ご飯に大量に振りかけて食べるのが好きなのですが、この唐辛子も量を誤ると毒になるようです。

適量であれば、唐辛子の辛み成分である“カプサイシン”が体をあたためてくれます。
血液の流れの他、アドレナリンの分泌をサポートし新陳代謝を促すため、ダイエット中の方も積極的に摂取していると言われています。

しかし、摂り過ぎは禁物。

胃腸の粘膜を傷つけるため、下痢や消化不良になりやすくなります。

また、辛みは痛覚を刺激しますが、脳が体を守るためにエンドルフィンという物質を生成します。
これは麻酔のような働きがあり、エンドルフィンが働いている間は味を感じにくくなってしまいます。
大量摂取の継続は、味覚が麻痺してしまう可能性があるのです。

こうならないように、適量を心掛けながら食していこうと思います。