健康コラム

no.107
テーマ:「甘酒」
2016年1月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。
【1】甘酒の種類
甘酒には、【米麹】から作られたものと【酒粕】から作られたものの2種類があります。

【米麹】から作る甘酒は、お米・米麹・水を混ぜ合わせ発酵させます。
甘く美味しい甘味(米麹)ですが、あの甘味は、お米のでんぷん質が発酵して出来るブドウ糖の自然の甘味です。

“酒”と書きますが、米麹から作る甘酒はアルコールを含んでいないので、アルコール飲料ではなく清涼飲料水とされます。
そのため、大人だけでなくお子様やお酒の苦手な方でも、甘酒を楽しむことが出来ます。

そして【酒粕】から作る甘酒は、酒粕を水(お湯)で溶かして砂糖で甘味をつけます。
こちらは、アルコールを含む酒粕を使用しているため未成年の方やお酒の苦手な方、運転をされる際には十分ご注意ください。
【2】飲む点滴
米麹から作る甘酒は『飲む点滴』と呼ばれているのをご存知ですか。
これは含まれる栄養素に由来します。

米麹から作る甘酒には、

●ビタミン類
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、パントテン酸、イノシトール、ビオチン、葉酸など
●必須アミノ酸
イソロイシン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、フェニルアラニン、メチオニン、リジン、ロイシン
●食物繊維
●ブドウ糖
●オリゴ糖

などの栄養素が含まれており、これらが点滴に含まれる成分と似ていることから、『飲む点滴』と呼ばれるようになったそうです。

また、体内への吸収率もとても高いことで知られております。

ビタミンB群は、栄養素の代謝やエネルギーの産生を助ける働きがあるため疲労回復に効果があります。

なかでもビタミンB2は皮膚や粘膜を保護し肌を活性化させますし、上記の栄養素の他にも、甘酒にはコウジ酸も含まれており、コウジ酸はメラニンの生成を抑えシミやくすみを防止してくれます。

また、必須アミノ酸9種(体内で生成できないため食べ物からの摂取が必要)を全て含んでいることも大きな特長です。

アミノ酸は肌の乾燥対策にも必要とされますし、ビタミンの1種であるビオチンはコラーゲンの生成を助けてくれます。

さらに、オリゴ糖や食物繊維が腸内環境を整えてくれますので、便秘や肌荒れの改善、体内の有害物質の排泄にも役立ちます。

このことから海外では「ジャパニーズヨーグルト」とも呼ばれています。
【3】自宅でカンタン甘酒
甘酒は昔から、庶民の手作りの飲み物として親しまれ、作り方も簡単で、一晩で出来ることから「一夜酒」とも呼ばれています。

では、ここで炊飯器を使った自宅で簡単に出来る甘酒の作り方をご紹介します。

用意するものは【もち米】【米麹】【水】【温度計】です。
①もち米1合を洗い、たっぷりの水につけて1時間ほど吸水させる。
②吸水させたらザルにあげて水気を切り鍋に入れる。1リットルの水でお粥状に炊き、火を止めて冷ます。
③60℃ぐらいまで冷ましたら、バラバラにほぐした米麹を200g加えてよく混ぜる。
※この時、熱すぎると酵素が死滅してうまく発酵しない(甘くならない)ため、温度に注意。また、水分が少なければ、ヒタヒタになるくらいまでぬるま湯を足す。
④炊飯器に入れ保温の状態にする。
60℃を保ちながら発酵にムラが出ないように2~3時間おきにかき混ぜ、8~10時間置き、甘味が出たら出来上がり。
※ふたを閉めると中の温度が上がり過ぎてしまうため、少しだけ隙間を空けておくのがポイント。

材料も作り方もとてもシンプル!
これなら簡単に自宅で甘酒が作れますね。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
みなさん、甘酒を飲む時季といえばいつを想像されますか。

私は、初詣や寒い時期のイベントなどで、“体を温めてくれる飲み物”といったイメージがありましたが、江戸時代では夏場の栄養ドリンクとして、冷やして飲まれていたそうです。

そのため、俳句では甘酒は夏を意味する季語として使われます。
夏は冷やして、冬は温めて1年中楽しめる飲み物ということですね。

寒い冬には生姜を加えて体を温めたり、暑い夏にはレモン・ゆず・オレンジなどの柑橘類でさっぱりしたり、色々なアレンジで楽しむのも良いですね。

また、インターネットを見ていると、野菜や果物と一緒にミキサーにかけてスムージーにして飲むといった少し上級者(?)の方もいて、さっそく実践してみたいレシピがたくさんありました。

今の季節だと、あたたか~い甘酒で体の芯から温まりたいですね。

みなさんも、季節を問わず色々なアレンジで甘酒を味わってみてください!