健康コラム

no.119
テーマ:「七草粥」
2017年1月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。
【1】七草粥の歴史
1月7日は七草粥を食べる日ですね。

この日は「人日の節句」(五節句の1つ)にあたります。

中国では昔から、元旦から6日までの各日に、獣畜をあてはめて占いをしていたそうです。

元日は鶏の日、2日は狗(いぬ)の日、3日は羊の日、4日は猪の日、5日は牛の日、6日は馬の日とし、それぞれの日に対象となる獣畜を大切に扱っていました。

そして7日目を【人】を占う日にあて、これを「人日の節句」として人を大切にする日としました。

この日に、7種類の若菜を入れた温かい汁物「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」を食べ、無病息災を願っていたことと、日本で、もともとあった「若菜摘み」の習慣が合わさり、日本でもお正月明けのメニューとして七草粥が定着しました。

また七草は、早春にいち早く芽吹くことから、その生命力にあやかって無病息災を願い食べるようになったとも言われています。

そして、冒頭でもお話しましたが、上巳・端午・七夕・重陽と同様に五節句の1つとして数えられるようになりました。
【2】日本のハーブ??
七草は“日本のハーブ”とも言われ、様々な効果が期待できる優秀な食材であることをご存じですか。

■せり
「食べると競り勝つことができる」という縁起物です。
ビタミンC、ミネラル、食物繊維などを豊富に含み、貧血防止や、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。

■なずな
「撫でて穢れ(けがれ)を取り除く」とされ、別名はぺんぺん草です。
ビタミンB1、B2、ミネラル、食物繊維をバランス良く含んでおり、高血圧の予防や止血作用、整腸作用があります。

■ごぎょう
ごぎょう(御形)とは「仏様のからだ」という意味もある縁起物です。
鎮咳作用があり、風邪や気管支炎にも良いと言われています。

■はこべら(繁縷)
「繁」という漢字から「子孫繁栄」の願いが込められています。
たんぱく質やカルシウム、鉄などのミネラルを豊富に含み、止血作用や整腸作用があります。
汁で歯を磨くと歯にも良いと言われ、天然の歯磨き粉としても使えるそうです。

■ほとけのざ
仏様が座る「安座」に似ていることから縁起が良いとされています。
胃腸の働きを整えたり、高血圧の予防にも効果が期待できます。

■すずな
「すず」という字が入っていることから「神様を呼ぶ鈴」という由来があります。別名はかぶです。
葉は、カロテンやビタミンC、E、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。
根は、カリウムやビタミン、食物繊維のほか、消化を助けてくれるアミラーゼ(でんぷん分解酵素)を含み、胃もたれや胸やけを防ぎます。

■すずしろ
その白さから「潔白」というイメージがあり、縁起の良い野菜とされています。別名は大根です。
自然の消化剤とも言われ、胃腸の働きを助ける酵素が豊富に含まれます。
また、がん予防に効果があると言われるオキシターゼなども含まれます。

胃腸の働きを整える栄養が含まれていて、お正月のご馳走で疲れた胃腸を癒してくれる、とても理にかなった行事食ですね。
【3】七草粥のアレンジレシピ
七草粥は、その名の通り七草の入ったお粥ですが、アレンジの仕方によって様々な楽しみ方ができます。
ここで、七草粥のアレンジレシピをいくつかご紹介します。

●七草粥リゾット
熱したお鍋にオリーブオイルを入れ、お米を炒めます。
そこへ水とコンソメを入れ、お米が柔らかくなるまで煮込みます。
お米が柔らかくなったら七草を入れ、さらに3分ほど煮込んだら、粉チーズと塩コショウで味を整えて完成。

●中華風七草粥
鶏がらスープにお米と塩、醤油を入れて煮込みます。
お米が柔らかくなったら七草を入れ、さらに3分ほど煮込み、お好みで、ささみとごま油を上からトッピングして完成。

●七草粥のカレーリゾット
七草粥にカレーを加えます。
※水分が多いお粥の場合は少しご飯を足しましょう。
耐熱皿に入れて、上からチーズと卵を乗せてオーブンで焼いたら完成。

この他にも、寒い季節にぴったりの生姜や、お餅を入れた七草粥もおすすめですよ。
このアレンジレシピのように、お肉やチーズ、卵を加えることで、七草粥に不足しがちなたんぱく質も補うことができますね。

ポイントは、七草を細かく切ることです。
クセの強い青菜類の味を目立たなくし、消化にも良く、食べやすくなります。
また、とにかく“胃を休めたい”という方は、シンプルな七草粥で素材の味を楽しむのもいいですね。 
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
毎年1月7日は七草粥を食べる!という方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。

私自身、7日に七草粥を食べるようになったのはここ数年で、それまではあまり食べる機会がありませんでした。

もともとは、前日(1月6日)に七草を摘みに出かけ、夜中に包丁で細かく刻み、一晩置いたものを翌日(1月7日)の朝にお粥にして食べていたそうです。

刻むときも、“七草なずな 唐土の鳥が 日本の国に 渡らぬ先に ストトントン”と(※)囃子歌をうたいながら刻んだり、刻む回数も諸説ありますが、1種類毎に7回叩いて7種類、全部で49回。
といった決まりもあったそうです。
※ 囃子歌の歌詞は地域によって異なります。

昔はどれも身近なところに生えていたそうですが、今は1つ1つ食材を集めるのも大変ですよね。

しかし、最近ではお店で七草セットが売られているので、お手軽に七草粥を楽しむことが出来ます。

是非、今年の七草粥は、七草の効能や歴史を思い浮かべながら味わってみてください。

そして、疲れた胃腸を七草粥で労わり、無病息災を願って今年も1年頑張りましょう!