健康コラム

no.16
テーマ:「紫外線」
2008年6月号
※内容は掲載当時の情報です。何卒ご了承下さい。

テレビでは、綺麗なモデルさんが出演する日焼け止めのCMが流れ、夏を感じる季節となってまいりました。

紫外線対策はOKですか?
【1】紫外線を知ろう
紫外線といえば「美容の敵」といったイメージが強いのではないでしょうか。

紫外線は目に見えない光なので、視覚的に捉えられないため、ついつい紫外線対策を怠ってしまいがちですが、実は、お肌だけでなく、今現在、症状が現れなくても、皮膚ガン、白内障、日光過敏症といった健康被害も紫外線が原因で起こりうることがわかっています。

紫外線対策は真夏のものと思われがちですが、紫外線の量は3月頃から増え始め、6から7月がピークになるため、これからの季節の対策が特に大切です。

紫外線(UV)には太陽光の中で強いエネルギーを持つ光で、波長の長さによって、UV-A、UV-B、UV-Cに分けられ、UV-AとUV-Bの一部がオゾン層を通過し、地上に届きます。

日焼け止めの表示に「SPF50 PA+++」といった表示をご覧になられたことがあると思います。

「SPF」は、UV-Bを防ぐ効果を示す値で、数値が高いほど、赤くなる日焼けを防ぐ時間が長くなります。

「PA」は、UV-Aを防ぐ効果の強さを占める値で、+の数が多いほど、肌の黒化を防ぐ効果が高くなることを表しています。
【2】体の外から紫外線対策
①目の対策→サングラスで目をガード

紫外線は白内障の発症リスクを高めることがわかっています。
紫外線防止効果の示されたメガネやサングラスをかけて、目を守りましょう。
これにより、約90%の紫外線を防ぐことが言われています。

②肌の対策→見える部分には日焼け止め

衣類で覆うことができない顔などには、日焼け止めを使いましょう。
顔や体には、空からの直射日光だけでなく、地面からの照り返し、空気中で散乱する紫外線も当たっています。

③服で対策→帽子や洋服でも対策を

つばの広い帽子や日傘は太陽光線を遮り、肌を守ってくれます。
洋服は、長袖や襟付きのシャツなど、体を覆う面積が多いものを着ましょう。
色は、白より黒のほうが紫外線を通しにくいとされています。
【3】体の中から紫外線対策
良質のたんぱく質、ビタミン、ミネラルは、肌の抵抗力を高めます。

しみのもとになるのは、紫外線が当たると活発に作られるメラニン色素です。
ビタミンCには、このメラニン色素の生成を抑える働きがあるため、しみ予防に良いといわれます。
ビタミンCは野菜や果物に多く含まれています。

旬の食材には、ビタミン、ミネラルが比較的多く含まれています。
ビタミンCも含め、紫外線対策に有効な栄養素を紹介します。
これらの食品を意識的に取り入れましょう。

●ビタミンC
細胞や色素沈着を防ぎ、しみ予防に期待できます。
ビタミンCは、水に溶けやすく、熱に弱いので、生で食べる果物などがお勧めです。

ビタミンCが多く含まれる食品
→抹茶、いちご、赤ピーマン、青じそ、かんきつ類、キウイフルーツなど

●ビタミンE
血行を良くして新陳代謝を促す作用があるほか、メラニン色素の排出を助けたり、活性酸素の発生を抑えるともいわれ、肌にとって大切な栄養素です。
ビタミンCと一緒にとるとよいでしょう。

ビタミンEが多く含まれる食品
→アーモンド、ピーナツ、ごま、アボガド、紅花油、オリーブオイル、のりなど

●亜鉛
子どもは新陳代謝が活発なので、日に当たって肌の色が黒くなっても、比較的早く元に戻ります。
しかし、紫外線によるダメージは皮膚の奥で蓄積され、将来の肌に悪影響を及ぼします。
亜鉛は肌の新陳代謝(ターンオーバー)を促します。

亜鉛を多く含む食品
→牡蠣、牛肉、豚肉、うなぎ、納豆、アーモンドなど

それでも日焼けしてしまったら、水や氷で冷やしましょう。
日焼けをして肌がヒリヒリするのは、やけどと同じで、炎症をおこしているためです。
流水や、冷蔵庫で冷やしたぬれタオルなどで患部をおさえ、30分以上冷やしましょう。
それでも強い痛みがある場合には、早めに皮膚科を受診しましょう。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
紫外線には、骨の形成に必要なビタミンD3を作る働きがあり、長い間、「日光に当たると丈夫になる」と言われてきました。
しかし、ビタミンD3は、特に栄養状態が悪くなければ食事で十分補うことができるそうです。

それよりも、気になるのは、紫外線の健康へのマイナスの影響。しみ・しわといった美容への影響はもちろんですが、免疫力を低下させたり、白内障など、健康への影響が気になります。
年齢や性別にかかわらず、今からしっかりと紫外線対策を行いましょう。
紫外線対策のために、お肌のために、かき肉エキスを多めに飲んで、会社帰りに、フルーツ、サラダに胡麻ドレッシングを買って帰ります。
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