健康コラム

no.77
テーマ:「しみ」
2013年7月号
1】肌(皮膚)のいろいろ 【2】“しみ”のしくみ 【3】健康な肌づくりのために ◇◆管理栄養士の独り言◇◆
【1】肌(皮膚)のいろいろ

全身をおおう、肌(皮膚)。その総面積は大人で約1.6㎡、畳1枚分もあります。外部環境から体を守る保護作用の他に、体温調節作用や呼吸作用、感覚作用(寒熱や痛みなどを感じる)、免疫作用、分泌排泄作用(汗や皮脂を出す)など様々な働きがあります。肌は、層状の構造をしていて、肌の最も外側にある部分を「表皮」といいます。さらに、表皮も表面にある「角質層」や、表皮の奥にある「基底層」など複数の層からなっています。そして、基底層では、肌の細胞がつくられています。つくられた細胞は、細胞分裂をしながら角質層まで移動していき、角質層で一定期間とどまった後、垢となって肌表面からはがれ落ちていきます。

このように肌では、絶えず新しい細胞がつくられ、古い細胞との入れかわりが起こっています。この肌細胞の入れかわりが「ターンオーバー(新陳代謝)」です。その周期は20代でおよそ28日です。年齢とともに遅くなります。

では、なぜ周期的に生まれる肌に“しみ”ができるのでしょうか。
【2】“しみ”のしくみ

私たちの肌は、紫外線を浴びると、紫外線から体を守るために基底層のメラノサイト(色素細胞)でメラニン色素を生成します。日焼けをした肌が数ヶ月もたてば元の肌の色に戻るのは、ターンオーバーによってメラニン色素を排出しているからです。ところが、強い紫外線を浴びてメラニン色素が大量に生成されてしまうと、排出が追いつかなくなります。また、加齢によってターンオーバーが鈍ってくると、メラニン色素の排出も鈍くなります。そうすると、メラニン色素は表皮に残ったままになり、やがて“しみ”となって現れてしまうのです。

そのため、しみを予防するには、『しみを生み出すもの』と『しみを肌に残すもの』への対策が必要です。つまり、しみのもとになるメラニン色素を過剰につくらないことと、しみを肌に残さないようにターンオーバーを促し、メラニン色素を排出するということです。ターンオーバーは不健康な生活習慣でも鈍るため、生活習慣にも気をつけなければなりません。それから、肌に合わない化粧品の使用、抗生物質など薬の服用、ナイロンタオルや洗顔ブラシでのこすり過ぎ(摩擦)火傷やニキビ、けがといった傷跡などによってもしみができることが知られています。

次項では、健康な肌づくりのための生活習慣などついて説明します。
【3】健康な肌づくりのために

◎栄養バランスの良い食事をとりましょう・・・特にミネラル・ビタミンを積極的に補いましょう。これらは健康な細胞の産生や活発なターンオーバーに不可欠です。また、野菜や果物などに多く含まれる“ファイトケミカル”の補給もおすすめです。
◎十分な睡眠をとりましょう・・・ターンオーバーは、睡眠中に活発に行なわれます。睡眠中には、成長ホルモンの分泌が盛んになります。成長ホルモンは、ターンオーバーを促し、体の機能の修復や疲労回復をサポートします。

◎ストレスを上手に解消しましょう・・・ストレスは、老化の一因となる活性酸素を発生させ、ミネラルを浪費したり、免疫機能の低下やホルモンバランスの乱れを招いて、ターンオーバーを遅らせます。自分に合ったリラックス方法を見つけ、リフレッシュを心がけましょう

◎日焼け止め・帽子・日傘などを活用して紫外線をカットしましょう・・・紫外線は活性酸素を発生させ、細胞を傷つけ、老化を早めます。
◎洗顔はやさしく丁寧に行ないましょう・・・肌の表皮はおよそ0.2mmほど。肌をキレイにしようと強くゴシゴシとこすっては、薄い肌を傷つけてしまい、逆効果です。また、ご自身の肌に合ったスキンケアを選びましょう。
◇◆管理栄養士の独り言◇◆
ファッションやメイクの流行があるように、かつて、1990年代には、10代を中心に日焼けサロンで焼いた小麦色の肌がもてはやされたことがありました。しかし、今では“美白”という言葉がいたるところで聞かれるくらい白い肌が支持され、肌の色に対する意識はかわってきました。これは単なる流行だけではなく、オゾン層の破壊による紫外線の増加と、体へ与える様々な影響が認知されてきた今、紫外線に対する警戒が強くなってきたことの現れともいえると思います。最近では熱中症対策もあって、男性でも日傘を使用する人がでてきているとか・・・。

今月は“しみ”を通じて肌の健康に関する話をお届けしてまいりました。高温多湿の日本の夏。皆様に夏を健康にお過ごしいただくための一助となれば幸いです。