「健康コラム」 第20回 色彩と食欲

「健康コラム」一覧表

2008年10月号(毎月連載)
色相


 【1】色相?

青みがかった色、黄みがかった色など、色の傾向、色味のことを
「色相」といい、赤っぽいか、青っぽいかなどを判断するときの基準になります。
温かみを感じる色は暖色系、涼しげな色は寒色系と分類されます。

色の並び方は虹と同じ、赤→黄→緑→青→紫という順番で、
これを円状に配列したものを「色相環」といいます。
(文章だけでは、わかりづらいのですが・・・。)

色相環のそれぞれの色の対角線上にある色を「補色(=反対色)」、
隣り合う色を「類似色」といいます。
例えば、茶と黄など似た色の組み合わせです。
類似色は調和しやすい傾向があります。

その他にも、濃淡が違う同じ色合いを「同系色」といい、
色には様々な関係性があります。



 【2】食事の第6感

食事の際、感覚の中で一番よく働いているのは、
味覚(味)でも嗅覚(香り)でもなく、実は視覚だそうです。

人は、情報の8〜9割を視覚から得ていているといわれます。
暗闇の中で食事をしても、おいしく感じないのはそのためです。

「人間は目で食べている」といって過言ではないのです。
確かに、日本料理は「目で味わい、舌で愛でる」と言われるように、
独自の食文化の特徴を持ちます。

視覚の中でも色彩は、特に食欲を左右します。

赤身の刺し身に青葉を添えるとおいしそうに見えるのは、
赤と緑は「補色」の関係で、両方の色を引き立たせる働きがあるからです。

ファミリーレストランのハンバーグステーキセット、
メインに添えられた緑のブロッコーリー、オレンジ色の人参、黄色のポテト、
よく見かける付け合せですが、実は補色効果によるものなのです。

さらに、赤やオレンジ、黄色など暖色系の色ほど食欲をそそります。
見ただけで胃腸の動きを活発にする効果があります。

料理のジャンルにもよりますが、レストランの内装には、
赤、オレンジ、茶色などの暖色系のイメージでまとめられていることが多く、
牛丼、ハンバーガーショップ、ファミリーレストランといった飲食店の看板に
暖色系のロゴが多いのも、見た人の食欲をかきたてる狙いがあるそうです。



 【3】色彩ダイエット?!

暖色系の色が元気にする、食欲を促進する色なのに対して、
食欲を減退させる色は、紫や黄緑といった寒色系の色です。

紫色のナスをおいしく食べられるのは、 経験上「ナスはおいしい」と知っているからだそうです。
そういった場合を除き、色彩の特徴を上手に利用すると、個人差がありますが、
食欲をコントロールすることも出来ないことはありません。

実際に、青い色が食欲を減退させる効果に着目したダイエット食品が
発売されたと以前、テレビで取り上げられていました。

ブルーべリー色素を使った『ふりかけ』です。
白いごはんにかけると、青色になります。
ごはんを青くしてしまうことで、脳に抵抗感を持たせ、
食べる量を減らそうというものだそうです。

ふりかけ自体の味は美味しいらしいのですが、 確かに、そのふりかけがかけられた青色のご飯は、 食べる気の失せる、食欲とは無縁の映像でした。



◇◆管理栄養士の独り言◇◆

食欲の秋、食事がおいしくて、気がつくとお腹にお肉が・・・。

そうならないように、食べすぎに注意することが大切ですが、
いつも食べ過ぎる人は、視線に入るテーブルクロスやカーテンを
食欲減退効果のある紫や黄緑の寒色系のにかえるのも、一つの方法です。

ダイエットしたい人は、食卓の照明を蛍光灯に変えると、
青っぽい蛍光灯の光によって、黄色い食材などがくすんで見え、食欲がわきにくいそうです。

その他にも、赤と緑といった捕色関係を崩すと、彩りも崩れます。
お肉やお魚のメインをお皿にそれだけをのせ、
付け合わせは別皿に盛ればいいのです。

煮物彩りを添えるインゲンや絹さやも別皿に。
茶一色の煮物は、あまり食欲がわきません。 逆に、食欲がない時には、
赤やオレンジといったテーブルクロスや ランチョンマットを利用すると、
印象もかわり、食欲増進効果が期待できます。
食卓の照明は、蛍光灯より、白熱灯や自然光を。

補色効果を利用して、料理や付け合せ、お皿の色合いを考えながら、
盛り付ければ、料理の味に自信がない私でも、何とかなるようです。

「人の第一印象は○秒で決まる」と言われるように、料理も同様に、
第一印象を決める要素は、視覚からの情報が大部分を占めています。

食欲をかきたてる見ばえと味を兼そなえた料理が作れるよう、
腕を磨きたいと思います。


笑い